インディゴの夜 ホワイトクロウ


2010年06月10日 読了
 クラブ<インディゴ>の夜は相変わらず。
今回は<インディゴ>の中の話だけじゃなく、ホスト達のプライベートがメインになっている話も混ざる。

 すっかり板に付いたホスト探偵団。その分女の子たちの影は薄くなったが充分楽しい。

 自分だったら誰を指名するかなーって思いながら読む。

白戸修の狼狽


2010年06月04日 読了
 社会人になったばかりの白戸修。ホームを出なくてもいざこざに巻き込まれる鬼門「中野」を避けているつもりなのに、やっぱり巻き込まれる。

 お人よしで初対面の人に名前も聞かないうちから強引に引き込まれ、自分の用事は結局一つもできない。
 
 読み進むにつれ腹が立つほどのお人よしぶりが鼻につき、共感はとてもできない。
 でもその場で起こるトラブルをあっさり解決してしまう探偵ぶりは癒し系草食男子?

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イノセント・ゲリラの祝祭


2010年05月20日 読了
 AI導入に、賛成か反対か。
それぞれの立場と権力による利益を守るため、自分たちのいいような世界を作ろうとする。
 そんな者たちを手玉にとり、なだめすかし、追い詰めていく。

 ミステリーでも病院が舞台でもない。
田口・白鳥シリーズのエア・ポケットといった感じのストーリー。

 この人の作品には、次までの「つなぎ」となるような布石めいた本がたまにある。
 これらによって下準備と根回しが行われ、やがて大きな波が来る。

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夕暴雨―東京湾臨海署安積班


2010年05月15日 読了
 安積班シリーズ。巨大イベントにネットで爆破予告。
臨海署が大きくなり、人員も増えたために起こる確執。その中で起こったネット掲示板への書き込みのため、図らずも強硬班の中で勝負する羽目になってしまう。

 ライバルとして登場する相楽。彼とのやり取りも相変わらずのつぶやきでやり過ごす安積。このシリーズは愚痴っぽい班長のために事件が起こるようなもので、事件そのものよりも安積の愚痴を聞くのが楽しみになってきたような気がする。

 曖昧でつかみどころがなく、幻のようなカンで進むネットの中の繋がりが起こす事件の話。

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福家警部補の挨拶


2010年05月06日 読了
 現場を観察し、聞き込みに周るときにはすでに真相をつかんでいる。小柄な女性刑事の活躍する4編。

 落語シリーズが面白いのでこっちのシリーズも、と思って手に取ったけれど、どうもいまいち力がない。

 「現代のコロンボ」と評される刑事の手腕は理解できる。高評価してる人も多い。でも私はあんまり楽しくなかった。

 動機、殺害手順、証拠、、、伏線はきれいにいくつも取り入れられていて、推理モノとしてはすっきりとまとまっている。
 でも登場人物が薄すぎる。読み終わったら何も残っていない。

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ジーン・ワルツ


2010年05月03日 読了
 顕微鏡下人工授精のエキスパートである産婦人科医、曾根崎。
冷徹な魔女(クール・ウィッチ)の渾名を持つ彼女の元に、5人の妊婦が訪れる。

 現在の日本では認められていない代理出産。一時期はメディアでも騒がれ、大きな社会問題となった・・・・?はずなのにいつの間にか忘れ去られている問題。

 主人公が冷徹な魔女(クール・ウィッチ)だからか、かなり辛口な作品になっているため、嫌悪する人も多いかもしれない。

 でもやっぱり妊娠・出産の話題は目をそらすことができない。

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夢魔の森


2010年04月24日 読了
 夢に入り、人の魂魄を吸い生きる夢魔。
都の陰陽師である典明が対峙した夢魔は、一族のいずれもが相対してきた強敵であった。

 見えない物を見、聞こえない物を聞く。人差し指に巻かれた金の糸から相手の夢に同化し、唯一夢魔を切れるという鬼切の刀を振るう。

 すべてが夢に入る直前のうとうとと暖かい一時の出来事のような物語。自らの意味、生きることの意味を問うために書かれたというこの物語は、あてどない時間の流れの意味を問うたもののよう。

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夢見る黄金地球儀


2010年03月27日 読了
 一億円、ほしくない?

 そう言われてしぶしぶ乗った話は、人気のなくなった水族館から、かつてバブル時代に作られた黄金の地球儀を盗み出すこと。

 ひどく大雑把な計画に見えて、おとぎ話のように進むけれど、最後はいろんな個々の陰謀が重なり合ってうまく作用していたことが分かる。

 バチスタでの白鳥に当たる人物が、最後に種明かしをしてくれる。インパクトはあまりないけど、よく考えられている。

空を見上げる古い歌を口ずさむ


2010年03月15日 読了
 みんなの顔が「のっぺらぼう」に見える。
息子がそう言った時、父は思い出した。

 兄に、会わなきゃ。

 20年も姿を隠していた兄。その兄が語る「あちら側」と「こちら側」の人たちの話。

 昔の日本の、ちょっと変わった町で起こった出来事は、とてもシュール。小路作品の中ではちょっと後味が薄いけれど、兄の語る口調が優しいので最後まで穏やかだった。

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熱波


2010年03月13日 読了
 内閣情報調査室の磯貝調査官は視察で沖縄を訪れた。
そこから広がる知事補佐官との出会い、アメリカ海兵隊の少佐、そして台湾マフィア。

 沖縄の、本土やアメリカに対する意識を根底にした、あらゆるものへの駆け引き。

 もちろん最後は大事となり、鮮やかな見せ場もあるため2時間ドラマ並みに盛り上がる。
 タイトル通りの熱い風一陣といった感じ。

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