インディゴの夜 チョコレートビースト


2010年05月29日 読了
 シリーズ2作目。塩谷の粗野なところも優夜の紳士ぶりもホストたちの自由っぷりも相変わらず見事。

 晶の、どこがオシャレなのかさっぱりわからない若者の服装に対する疑問と、「義務教育を終えた人間が、自分のことを名前で呼ぶんじゃないの」などの、若者からしたらウザいおばさん並みの小言にも共感が持てるのは年のせいか??

 こんなホストクラブがあったら是非覗いてみたい。

インディゴの夜


2010年05月12日 読了
 一風変わったホストクラブ<indigo>。仕事仲間と副業で始めた店に舞い込んだ事件に首を突っ込むうちに結成された、にわか探偵団。

 ホストの男の子たちと渋谷の街を走り回る。

 主人公のフリーライター・晶が、最初はやたら男勝りで下品なのでどうにも嫌悪感が沸いたが、それもそれなりに慣れてくる。

 王道ホストの優夜がうまく中和してくれているためか、オオゴトなのにあっけらかんとしていて後味がいい。

DOWN TOWN/ダウン タウン


2010年05月04日 読了
 中学の2年先輩のユーミさんに誘われて入ったのは、なぜか男子禁制の喫茶店<ぶろっく>。常連さんはほとんど女性ばかり。

 喫茶<ぶろっく>に通うようになって、学校と家以外の居場所を見つけた。

 まだ先のことなんか全然わからないし実感もないけど、大人ってどんなものなのかを見た少年のお話。

 とってもこの人らしい作品。

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凍土の密約


2010年05月02日 読了
 殺されたのは、政治結社の構成員、暴力団員、ロシア人ジャーナリスト、大学教授。
 一見、関係のない殺人事件だが、手口が同じ。

 公安の捜査員・倉島は、これらの連続殺人の裏に潜む大きな穴を覗き込む。。。

 作者は、刑事モノも公安モノも描いている。刑事と公安はその信条の違いから仲が悪いと言うが、どちらの立場の本を読んでもお互いの悪口が描かれていておもしろい。

 でも今回は、倉島とロシアのネタにもかかわらず、ヴィクトルが登場しないので物足りなかった。

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死夢


2010年04月25日 読了
 死夢。死が迫っていることを告げる予知夢であり、死を受け入れる境地へと導く啓示夢である。

 中学時代の友人が、猫が心臓のあたりにのしかかってくるという夢を見て次々と死んでいく。「悪夢による自殺」

 湿気の多い部屋で一人置き去りにされたような心地悪さが、とても作者らしい。流れ的に結末は読めるが、この不気味さを味わうには充分。

 しかし、まだ罪の告白が始まっていないにもかかわらず、すでに罪を犯したと断定している槇村の言動はかなり違和感があった。

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動物園の鳥


2010年04月21日 読了
 引きこもりの鳥井、誰よりも鳥井を最優先する坂木。
二人に依頼された動物園で起こった事件は、怪我をさせられた猫たちの謎。

 3部作の最終話だった。

 主要人物のキャラはとても面白いけど、彼らに巻き起こる事件や謎は、「ちゃんと」しすぎていて少ししらじらしく思える所もある。
 まさに、正論で武装していた松谷のよう。

 痛々しい過去と傷があるからなじめる内容。

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動物園の鳥 (創元クライム・クラブ) [ 坂木司 ]
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手のひらの蝶


2010年04月10日 読了
 9歳の少年が、母親を殺し、その血を飲んだ??

 吸血鬼を思わせる連続殺人事件。
それらの殺人の共通点は、香水、そして暗殺虫。

 気味の悪い真実が次々と浮かび上がり、背中が寒くなるのに止められない。
 犯人の心情がところどころに書かれているけれど、そこからの推測は難しく、最後まで分からなかった。

 不意に始まる決着戦のせいで、衝撃的な事実があまりにあっさり流されてしまっていてちょっともったいなかった。

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ねこのばば


2010年04月04日 読了
 若だんなは今日もせっせと病に伏せる。その隙間のちょっと気分のいい時に起こす言動が、周りの妖たちを大騒ぎさせる。

 江戸の大店の一人息子が寝ながら考え、ご近所のやっかいごとを裏から解決していくシリーズ第3段。
 この流れにも慣れてきて、こちらも寝転びながら読んでいられるくらいのんびりした作品。

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高原王記


2010年03月20日 読了
 険しい山に住み、盟約を結ぶ者を待っている、精霊。
少年の姿をした精霊ジュンガのもとに来た人間は、人に優れた英雄か、魔を払う聖者か。

 ジュンガは、盟約によって築かれた絆によって幸せな日々を過ごしていた。しかし、突如現れた光の術師が相棒の「美しい魂」を奪っていってしまった。変わり果てた相棒に失望しつつ、それでも側にいて取り戻す決意を固める。

 高原に住む者として高原を守るために旅に出る二人の話。
やっぱりこの人は「ヒトではない者」と「ヒト」との話が好きなのかもしれない。

 かなり読みごたえがあった。

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高原王記 [ 仁木英之 ]
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ラ・パティスリー


2010年03月12日 読了
 フランス菓子店で働く新人。ある朝、出勤するとそこには、見事な技で飴細工を作る一人の見知らぬ男性がいた。

 自分についての記憶をなくし、ここは自分の店だと言い張る男・恭也。彼は誰!

 恋愛小説かと思ったらそうではなく、終始彼の記憶とフランス菓子の話で進む。恭也は主要人物として魅力的だけど、主人公の夏織はちっとも魅力的じゃない。

 菓子作りの描写が要所要所にあるから、想像がいくらでも膨らむ。でも専門用語がわからないのでどんなものかは全くの妄想。。。

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ラ・パティスリー [ 上田早夕里 ]
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