サバイバー・ミッション


2009年10月28日 読了
 「タロットの迷宮」の前作。
 
 PC内で”生きている”キシモトと、新米捜査官が追う首切り殺人。

 追うごとに混乱し、誰を信じていいのかわからなくなり次第に自らを追い込んでいくのはアメリカ映画のようでスリリング。
 でも最後の解決編というべきところがいまいちスムーズでないため、何度もページを繰りなおすことになったのは解読力不足所以か。。。?

 この人の文は読点が多くて読みづらいのが難点。

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ランボー・クラブ


2009年10月21日 読了
習ったことのないはずのフランス語が読めた。知らない人の記憶。自分を演じているような違和感。

 前置きのない魅力。

 非常に集中して読めた。目を離すのがもったいないような気さえしてくる。結末は読めるけれど、ミステリとしてのツールがてんこ盛りでおもしろかった。

シンデレラ・ティース


2009年10月20日 読了
ホテルジューシーの姉妹版。
 夏休みのバイトを探していたら、親から大嫌いな歯科医のバイトを押しつけられた。

 やってくるお客様(患者)の小さな行動の不審を見抜き、スタッフ総出で心のケアをやってしまう。

 姉妹版のほうよりリアルでささやか。でもどちらも、目の前のことを一つ一つちゃんと解決していこうという「ゆっくりとした歩調」の雰囲気がある。

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タロットの迷宮


2009年10月18日 読了
 警察官・利津が、PCの中で生きる人口知能キシモトと共にミッションに挑む。
 僻地にある精神病棟内で起こった事件を調べていくが、次々と事情を知ると思われる人が死に、タロットカードが残される。

 舞台は日本なのに、なぜか海外のようであり、近未来の架空の街のようである。

 前作があったのは知らなかった。読んでいないので余計気になる。

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東京バンドワゴン


2009年10月16日 読了
 玄関を中心にして古書店と喫茶店を営む堀田家。
一家の大黒柱を中心に4世代が住む大家族。

 語り手は幽霊のおばぁちゃんというのも面白い。登場人物の多さに最初は戸惑うけれど、個性がしっかりしているのですぐになじめる。

 ドタバタがじんわり暖かい。章ごとに話は完結するのだが、これだけの人の多さを短い話の中でまんべんなく全員を登場させ、影の薄い人物がいないうえに混乱させない。

 古書店というところ、子供たちの名前が色の名であるということ、、、。私の好きなポイントがよけいにひきつけられた。

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HEARTBEAT


2009年09月24日 読了
 10年後の午前10時に、この場所で。。。

 一昔前に流行ったような青春の約束。その約束を果たすためにニューヨークの<暗闇>から戻ってきた。そのはず。。

 交差する二つのストーリー、それがどんなふうに織り合うのか。
そこまではよくある話だけど、謎が思いもかけないものばかりでなかなかおもしろい。
 登場人物がとても素敵で、3時間ほどで読めてしまった。すごく引き込まれ、集中して読んでいたけれど、結末をもうちょっとリアルにしてほしかった。そこだけが残念。

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配達あかずきん


2009年09月24日 読了
 駅ビルの中にある本屋さんで働く杏子。仕事の中で起こる不思議がいつしか謎解きに。。。

 本屋が舞台で、ミステリーで、もちろん本がきっかけで。
本好きにはたまらない設定。しかもちゃんと恋愛も絡んできて。

 懐かしくてちょっと甘い後味が残り、少しずつ薄れるそれをできるだけゆっくりにしたい。初めて見た和菓子を食べたような感覚で、ゆったりな感覚になれる。

まんまこと


2009年09月17日 読了
 江戸の町名主、高橋宗右衛門の息子麻之助と、その幼馴染たちの物語。
 町で起こる、奉行所に持ち込むほどでもないもめごとを解決する仕事を手伝い始めた麻之助が、大層『お気楽』な性格からくるひらめきで解決していく。

 文も、構成も、全部やっぱり畠中恵。
こちらは「しゃばけ」と違って妖怪は出てこないが、雰囲気は同じなので読みやすい。

 新シリーズらしい。

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野良女


2009年09月15日 読了
 流行りのアラサー、30前後。
そんな娘たち5人の、なんだか散々な恋愛物語。

 あけっぴろげすぎて下品な所がまっさきに目立つので、不愉快に思うけれど、だんだんそんなこと言ってられなくなってくる。
 あまりにもリアルで、たぶんどんな恋愛もどれかに当てはまるんじゃないかと思えるほど。
 
 救いがないのかと思うような彼女らが、「どことなく挫けない強さを誰かからもらえるから」、みたいな曖昧な励ましで乗り切り、最後には「何も残ってないけど何かやらなきゃ」と思える。

 ざくざく読め、不思議と共感もし、根拠のないやる気が出てきた。

 おもしろいパワーのある本。

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仏果を得ず


2009年09月14日 読了
 人形浄瑠璃の世界。文楽に賭ける若手大夫の情熱と恋と人間関係。

 文楽?仏果?聞いたことあるけどなんだっけ。
といった程度だったけれど、読んでいるうちにしっかり取りこまれてしまった。
 どちらかというと主人公より周りの人たちのほうが魅力がある。だから誰からも目が離せない。

 「長生きしたい」と思えるほどのめり込める世界があるのはとてもうらやましい。

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