戒名探偵 卒塔婆くん


2018年11月30日 読了
 寺の次男で、家業に興味のない春馬は、横暴な兄にこき使われながらも毎日平凡な高校生活を送っていた。
しかし彼には、妙に仏教に詳しい知り合いがいた。

 兄から頼まれた無理難題を、その友人はいとも簡単に解き明かす。
外場くんの宗教講義は私にはつまらないが、複雑で難解な宗教を不思議なほど簡単に説明する。
兄と幼馴染があまりにもな性格なせいか、外場の異様さが薄れて普通すら見えてくるため、なぜか話に耳を傾けてしまう。
 前作がありそうな雰囲気だったけど、読んでいてもきっと覚えてないな。

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悪玉伝


2018年11月01日 読了
 大坂の炭問屋・木津屋の主の吉兵衛は、家業を放って放蕩を尽くしていたが、ある日兄の訃報が伝えられた。
すぐさま実家へ向かい、我が物顔の番頭を抑え葬儀の手はずを整えるが、それがお家騒動にまで発展してしまう。

 最初から不穏な気配が続き、ずっと胸の悪くなるような出来事で一向に解決しない。最後には罪人となってしまう吉兵衛。
主人公の吉兵衛の視点からは悪人には見えず、混乱させられた。
辰巳屋騒動と言えば有名なようだが、ちっとも知らなかったせいであまり熱中できず、感情移入もできなかった。
お瑠璃の様子がもっと知りたい。

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半端者—はんぱもん—


2018年10月28日 読了
 ススキノシリーズ『探偵はバーにいる』の俺が、まだ大学生だった頃の話。
学校にはほとんど行かず、3件の家庭教師と英語のゼミ、それに高田に習い始めた護身術の他は毎晩飲み歩いていただけの俺が、ある日であったフィリピン女性に恋をした。

 まだ探偵を始める前、何をしたいとも思わず、ただその日の金を稼ぎ、飲み歩いていた俺がだらだらと暮らしている様子がかかれているため、本当にただだらだらと続く。
フィリピン女性との恋も、終わりに差し掛かってやっと出てくるような、メインではない話。
この後、果たして俺はどんな思いがあってススキノで探偵を始めるのか。
その決意までは書かれていなかった。

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ロスト・シンボル 上


2018年09月17日 読了
 キリストの聖杯をめぐる事件後、ハーヴァード大で教鞭を執る生活を送っていたラングドンに、旧友から突然に講演の依頼が入る。
会場に駆け付けたラングドンだが、そこで見たのは、空を指さす旧友の手首だった。

 相変わらずのラングドンだが、今度も強引に事件に巻き込まれる。
しかも手首を見つけさせた犯人は、フリーメイソンの謎を解かないと旧友・ピーターの命はないと脅す。しかたなく謎解きに走るラングドンがやっぱり危険な目にあう様はスピーディーで目が離せないが、宗教上の話はちっとも分からず退屈だった。
前作もそうだが、キリスト教の基礎知識がないと謎も暗黙の了解もタブーも気づけない。
だから発見も思いつきもヒラメキもなくて退屈に感じる。

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辞令


2018年09月07日 読了
 大手エレクトロニクスメーカーの宣伝部副部長・広岡修平に、突然辞令が出た。
しかも降格としか思えない左遷。
広岡は、不審に思い調べ始める。

 淡々と語られるために読みやすいが、その分感情移入はしない。
サラリーマンの宿命である辞令の裏には、様々な駆け引きと地盤固め、裏工作、下準備があり、そのどれに与するか、誰を信用するかにかかっている。
辞令で始まり辞令で終わる。
出世や会社への執着がない人にとってはくだらない事だが、人事とは人生を左右する大事でもある。

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密告はうたう


2018年09月05日 読了
 警視庁人事一課監察係の佐良は、かつて一緒に捜査を行っていた皆口の監察を任された。
行動確認のため尾行を続ける日々に、皆口の婚約者が死んだ事件とのかかわりを見つける佐良。

 監察としての任務の裏に、同僚が死んだ事件がまだ解決していないという因縁がつながり、捜査に力が入る佐良。
しかし、緊張感が増し関係者が増え、事が明らかになっていく割に、それをもたらした原因がいまいち重要なイメージがない。
不幸な結果になる者が多い事件なのに、その根本が曖昧では、空回りして勝手に深刻がって走り回っているようにしか見えなかった。

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バチカン奇跡調査官 ジェヴォーダンの鐘


2018年08月07日 読了
 フランスの小さな村から、奇跡の申請が行われた。
青い鳥が歌い、盲目の少女が見えるようになったという。
平賀とロベルトは調査へ向かうが、そこは狼男や人を惑わす妖精が跋扈すると噂の森が広がる地だった。

 久しぶりの本格的な調査で科学的な小話が多く、本筋よりも楽しめた。
そして結末は切なくやり切れない悲しさでいっぱいになるが、それにたどり着くまでのロベルトの宗教講和がしつこく、そのあたりには興味がない私にはひたすら退屈だった。

警視庁文書捜査官


2018年06月08日 読了
 警視庁捜査第一課科学捜査係文書解読班。
捜査資料の整理と分類に明け暮れる毎日の主任・鳴海理沙と、配属されたばかりの矢代朋彦。
ある日、杉並区で起きた殺人事件で初の出動命令が下った。

 筆跡や書かれた文章の内容から、書いた人の人となりや状況を読み取り推理する理沙。
その推理の様子は興味深いけど、事件が複雑でわかりにくい。
ただ、ドラマよりは数倍面白い。

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暗夜鬼譚―春宵白梅花


2018年05月18日 読了
 平安、元服したばかりの夏樹は、最近近衛府に勤め始めたばかり。
なにかと面倒なことも多いが、それなりに楽しんでいたのだが。
ある夜、夏樹は恐ろしい鬼を目撃する。

 『ばけもの好む中将』で人気の瀬川 貴次。
しかしこれはあまりにも幼い感じで説得力もないと思っていたら、かなり昔のものらしい。

あなたの人生、逆転させます: 新米療法士・美夢のメンタルクリニック日誌


2018年05月12日 読了
 なかなか就職先が決まらず、焦りの末に飛び込んだメンタルクリニックで採用され、晴れて新米心理療法士となった森野美夢。
そこでは、変人に見える院長が実は名ドクターで、そこでの仕事は刺激に満ち溢れていた。

 いろんな悩みを抱えた患者との触れ合いの中で、その人の悩みや問題はどこから来るのか、少しづつ心を解きほぐし、気づかなかった問題に目を向けさせる。
 事例は面白くて、こんな動きがあるのかと興味が湧いてくるものの、特に注目させるような大きな出来事もなく、どちらかというとまだ導入といったところで終わってしまった気がして物足りない。