八月の熱い雨 <便利屋<ダブルフォロー>奮闘記>


2012年07月22日 読了
 便利屋を営む皆瀬泉水のところへは、様々な依頼がやってくる。
草むしりや犬の散歩、将棋の相手からスーパーへの買い物まで。
 そんな中で、なにやら違和感のある依頼が、時々泉水をおせっかいにする。

 いろんな人とかかわりながら、依頼人がなぜそんなおかしな行動に出るのか、泉水は考える。

 それに気づいた時の泉水が何を感じたのか、こちらも考えながら読む。

ロボットの時代 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集


2012年07月15日 読了
 ロボットに関する短編集。
ロボットの周りで人間があたふたと右往左往する様子はコミカルで、大真面目に話し合って決まったことですらロボットの前では道化師のよう。

 たびたび出てくる木星人は特に、あたふたとロボットに振り回される様子が面白い。やることすべてが裏目に周るうえに少しも気づかず、すべてロボットの思惑通りに進めてしまう。
 半世紀以上も前の作品とは思えない。

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われはロボット


2012年07月12日 読了
ロボット工学三原則は、全てのロボットが例外なく従うはずだった。
しかし、そのせいで生まれる矛盾によってロボットは混乱し、人間は振り回される。

 ロボット心理学者のキャルヴィンが、このロボット工学三原則の矛盾により生じた問題を記者に語る。

 ロボットの性質によって起こった様々な出来事の、短編集。
中には理屈っぽくて読みにくいものもあったが、ヒトが作り、ヒトが決めたことには必ず盲点があるというお話。

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トッカン―特別国税徴収官―


2012年07月06日 読了
 税金滞納者から問答無用で取り立てを行なう徴収官の鈴宮深樹。
口の悪いエリートの下に就いたがために、毎日のように怒鳴られ嫌味を言われる毎日。だがいつしか信頼し・・・。

 エリートの鏡雅愛の口調が、頭のいい人特有なのか嫌味なのに清々しい。
後半はかなりしつこくて湿っぽいのでうんざりするが、お約束の展開で終わるので読後感は良い。

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壬生烈風 – 幕末京都守護職始末


2012年06月21日 読了
 天狗の剣に次ぐ、幕末に生きる剣士・孝太郎の、太刀で己の道を切り開かんと奮闘する物語。

 幕末の京でいろんな思想を持った人たちと出会い、死に別れるうちに、藩とは、武士とは何なのかと思い悩むようになる。

 作者、もうヨーロッパは飽きたのだろうか。
文体も雰囲気も変わらないのに、なぜかあまり集中できない。

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パラダイス・ロスト


2012年06月12日 読了
 スパイを養成するD機関の新作。
創設者の結城中佐の人となりを暴こうとする外国人が現れる。

 今回は、実際のスパイ活動よりも結城中佐の過去を探るためにやってきた外国人の動きが中心。
しかし、これまでのような清々しいほどの裏切りはないため、物足りない。
 逆に「ケルベロス」は、珍しくスパイの方が利用されてしまい、こちらは結城中佐も苦笑いしそうでおもしろかった。

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バチカン奇跡調査官ラプラスの悪魔


2012年06月10日 読了
 シリーズ第6弾。
大統領選挙に出馬する、このところ人気の若き議員が、協会で謎の光に包まれ死をとげる。
彼は5日前、存在すら認められていない屋敷での降霊会に参加していたことがわかっている。
 平賀とロベルト、さらにFBIのビル捜査官と共に調査に向かう。

 今回はオカルトや奇跡というより科学。
油断していると専門的な話になっていて一言も読み逃せない。

 さらに、これまで一番の謎と興味だったジュリア司祭よりも、もっと気になる関係が出て来てしまった。
 純粋な奇跡調査を心待ちにしているけど、人間関係も面白くなってきた。

メロディ・フェア


2012年06月05日 読了
 小さい売り場だけど、好きな化粧品を売る仕事。
そんな主人公が毎日座るショッピングモールのカウンターから生まれる、普通の日々の、少し嬉しかったり辛かったりする出来事を柔らかく書いている。
 
 最後はゆっくりハッピーエンドで、主人公の周りの人の心を少しだけ溶かして終わる。

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ペトロ


2012年06月03日 読了
 考古学者の妻と、弟子の一人が殺された。
その現場には、ペトログリフが一つ、壁に刻まれていた。

 考古学についての考察はおもしろかったけど、この人の刑事モノはとても軽い。
 同じ分野を舞台にした話でも、昔のような長編が読みたい。

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階上の闇


2012年05月14日 読了
 子供の頃の惨めな思いを消し去りたいがためだけに出世を望み、時には自らの手を汚してまでも進み続ける男。

 単調な文章だけど飽きない。そして、だんだんと闇を大きくしていく正樹の、狂いかけた様子が詳細に描かれていて恐ろしくなる。

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