2012年05月12日 読了
室町末期。貧乏公家の山科言継と家来の大沢掃部助が、悩める人たちの相談にのる。
だけどどうも頼りにならないまま、のらりくらりと決断を延ばす。
この人たちに関わりを持ったために、返ってめんどくさいことになってしまうが、そのバタバタでいつの間にか事がおさまっていたりする。公家と武家と百姓たちが、のんびりと悩む様子がおかしい。
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読書と手芸の記録
2012年05月12日 読了
室町末期。貧乏公家の山科言継と家来の大沢掃部助が、悩める人たちの相談にのる。
だけどどうも頼りにならないまま、のらりくらりと決断を延ばす。
この人たちに関わりを持ったために、返ってめんどくさいことになってしまうが、そのバタバタでいつの間にか事がおさまっていたりする。公家と武家と百姓たちが、のんびりと悩む様子がおかしい。
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2012年05月05日 読了
「極北クレイマー」続編。
財政破綻した市民病院の立て直しのために世良先生が極北に来てからの話。
隣町には速水がおり、速水が切望していたドクターヘリがいる。
市民病院の大幅なリストラをしたり、救急医療に関わりたくてうずうずしている世良の部下の今中を速水の元にレンタルしたり、すべてお見通しな世良がサクサク進めていくとろこは気持ちがいい。
そして速水はやはり掟破りな行動を起こし、また伝説を作っていく。
世良と速水と花房師長の関係が見どころ。
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2012年05月03日 読了
第43回江戸川乱歩賞受賞の傑作ミステリ。
首都テレビでニュースの映像編集をしている遠藤瑶子は、常に刺激的な映像を作り出すことで視聴者の人気を博していた。
遠藤瑶子はある日、持ち込まれた盗撮テープの衝撃的なシーンをつないだことから、視覚の罠にはまる。
追い詰められ、人生を狂わせていった人間が複数登場する。
しかしなんだかすっきりしない終わり方。
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2012年04月19日 読了
急死した父から送られてきたメール。
誰にも見つからないように残された父からのメッセージに、落ちるように巻き込まれていく息子の研人。
話題作だけれど、似たような話を以前読んだと思いながら前半は進む。
人類の次の進化はどんなものだろう。
興味を引く設定で、死線を潜り抜ける大がかりなアクションは映画のよう。
だけど終わってみるといくつもの疑問が湧き出てきた。
無理もかなりある。
そういえばこの人は、「グレイヴディッガー」も「13階段」も、おもしろいけどちょっと足りない。
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2012年03月25日 読了
今度は就業時間外に、「市民サーヴィス課臨時出張所」の担当職員に持ち込まれる相談事。
前回のように看板が出ていない時間帯に受ける相談なので、いつもの「腕貫」がない。
今回も少しの話を聞いただけでさらりと真実を言い当てる腕貫探偵。美人の女子大生の押しかけ女房まで現れて、二人で美味い店を探しあてる姿は、前作よりも人間味が出てきた。
短編集なので深みはないが、姿を想像させない探偵が新鮮。
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2012年03月22日 読了
弁護士・御子柴礼司は、ある夜、死体を捨てる。
死体を調べた警察は御子柴の元へやってくるが、彼にはアリバイがあった。でも彼は、少年の頃人を殺している。
「司法試験に人格は関係ない」というセリフが印象的。
しかし、御子柴が少年鑑別所で名前を変え、過去の自分を殺し、司法試験を受け、金をふんだくる弁護士になった理由もいまいち納得できない。被害者にだけ?矯正局職員の稲見には?
これだけの設定があったのにどれも膨らまないのがもったいない。
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2012年03月08日 読了
主人公の勇吾は、「ラブホリック」というデリヘルの店長。
インドでのヨガの修行を終えてふらりとやってきた居候の宗介と、店の女の子たちも織り交ぜ、いろんな謎に立ち向かう。
と言っても大きな事件ではなくて、家出した子だったり自分を見失った男性だったりが相手の、少しの謎。
推理する宗介自信も過去の傷に囚われているが、その宗介の柔らかいコトバが優しい。
人を殺したい。自分を殺したい。怖い言葉が並ぶけど、本当は苦しい。
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2012年02月28日 読了
すれ違う数人の男たちが、やがて集うとこになり、一つだけ歌を生む。
とても小路幸也らしい物語。
淡々とした独り言からだんだんと声が重なっていく、ラヴェルの「ボレロ」のよう。
穏やかで暖かくて、ハッピーエンドがうれしい。
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2012年02月27日 読了
グッピーが水槽から逃げ出した。
研究中の”電子機器”を積んだ自衛隊の訓練飛行機が、墜落した。
あれは重要機密のはずで、新聞発表もされていない。なのにアメリカは当然、ロシアや中国までが墜落地点へサメのように集まってくる。そして開発に携わっていた山田が消えた。
グッピーという名の電子機器を追う者は一体どれくらいいるのかと混乱させる。
でも広げた割にはなんだか拍子抜けした結末だった。
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2012年02月22日 読了
妖しくて、近寄ってはいけないようなホラー作品。
短編集なので展開が早く、思いもよらない方向へどんどん進む。
だけどどれも救いがないままで、「世にも奇妙な物語」のよう。
映像がない分ホラー要素は低いけど、眠れない夜に読んだらきっともう眠ろうとは思えない。
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