2012年02月10日 読了
日々だらだらと過ごしていた秋生の前に、ジェイという女が現れる。そこから彼の運命は変わった。
毎日のように起こるテロと共に現れる彼女を、訝りながらも気になってしょうがない秋生は、少しづつその波に呑まれる。
何もかも捨てて逃げ出したいと思う者と、そこでしか生きられないと思う者。
どちらも時には思うことであるけど、より強い思いはどんな力を生むのか。
境遇による信条の違いがぶつかる時、壊れた物は大きかった。
|
読書と手芸の記録
2012年02月10日 読了
日々だらだらと過ごしていた秋生の前に、ジェイという女が現れる。そこから彼の運命は変わった。
毎日のように起こるテロと共に現れる彼女を、訝りながらも気になってしょうがない秋生は、少しづつその波に呑まれる。
何もかも捨てて逃げ出したいと思う者と、そこでしか生きられないと思う者。
どちらも時には思うことであるけど、より強い思いはどんな力を生むのか。
境遇による信条の違いがぶつかる時、壊れた物は大きかった。
|
2012年02月08日 読了
主人公の小谷四太郎は、勤務の途中で父の死を知らされた。
男ばかり、4兄弟の長子に生まれた四太郎の、人生の物語。
父の死から始まる、絶え間のない問題と事件と騒動。
面倒なことが次々と起こるので読んでいて苦しくなる。
思うようにいかない人生が詰め込まれていた。
昔から好きな作家でよく読んでいたけど、この人はこんな作風だったかなぁ。。
|
2012年02月02日 読了
亡くなった叔母の遺産を受け継ぎ、いつくかの物件と貸スタジオを経営し始めた武原耕太。
ビル内の会社が夜逃げしたという話と共に、その会社の人から助けを求められる。
知らなかった叔母の姿をいくつも見つけ、様々な人と出会ううち、耕太はその人たちの仕事を知る。。。
国に縛られ、国を背負う人たち。その国はとても重いが、決して捨てることはできない。
使命は大きくて苦しいけど、それが生きるためのより所となっている人達の生き様は、揺るがないんだろうけどなんだか痛々しい。
|
2012年01月31日 読了
「大陰陽師・安倍清明の傍流の末裔」と言いはり、イカサマの祓い屋を営む吉次と、もらわれっ子のおこと。
二人のところはそこそこ繁盛していた。
そこへやってきた三人の娘さん。
仲たがいをした風なそぶりはしているが、どうやらそれは芝居のよう。
そして、「丑の刻参り」で呪われているのは誰か当ててほしい、という。
登場人物も話も面白いけど、なんだか流れが悪い。
だけど、表紙絵の人の絵でアニメにしたらおもしろそう。
続編が出るといいな。
|
2012年01月29日 読了
巨大都市が消費する膨大なエネルギーを賄う「特殊物質」。
それを扱う者達の間では、不気味な噂が囁かれていた。
その「特殊物質」は、危険ではあるが金になる。
それを狙う者達も様々だった。
近未来の東京を舞台にしたサスペンス。
賛否分かれるような感じ。
迫力もあるし勢力図も面白いけど、少し物足りない。
五条作品は長編のほうが力がある。
|
2012年01月21日 読了
一目の少ない地方の田園地帯で、細切れになった人間の肉片や骨が発見される。
製薬会社の研究員だったその死体の捜査をするうち、近頃都会で問題になっている「ヒート」と呼ばれる麻薬との関係が浮き上がってきた。
前半とクライマックスでは、違った物語かと思うほどスピード感が違う。事件を追う埼玉県警の槇畑刑事の性格までも変わってしまったかのようで、ゾクッとするほど怖い。
そのせいか、読後感はなんだか痛みが大きい。
|
2012年01月09日 読了
退職勧告書を渡された真島は、迷った挙句に退職届を提出すると、営業本部長に呼ばれた。
そこから、聞いたこともない部署に勧誘されてしまう。
「被取締役新入社員」を読んで以来、次はどんなものが出てくるのかとずっと楽しみにしていた。
今度もかなり突拍子もない発想かと期待したが、前半は少々薄口。
しかし最後はいい方向へ導いてほっこりと終わる。
|
2011年12月27日 読了
日本人と、多国籍と言われるグループとの戦いが、あちこちで始まってしまった。
ただ血の流れる景色が見たいと殺しまくる少年を中心に。
いくつかの謎は解け、団結するものと裏切るものがはっきり見えてくる。
かつて種をまいた者たちの世代から、第2、第3の世代へと移り、それが芽吹いた頃、第4の世代を身ごもる母達が現れた。
第4の世代が生まれる頃には、決着はついているのだろうか。
このストーリーを覚えているうちに最終巻が出てほしい。
|
2011年12月24日 読了
多国籍と言われる外国人と、純潔の血を尊ぶ日本人達の間で起こった小さな火種は、やがて爆発を招くだろう。
不法滞在を厳しく取り締まろうとする法案が出され、それに揺さぶられた人たちが増加する。
複雑になる人間関係。
60年も前にまいた種が、やっと一つ、咲こうとしている。
様々な信念が入り乱れる中、戦前の中国で種をまいた3人の男たちのなかの、トラが語った言葉にとても心を打たれた。
|
2011年12月23日 読了
日本人の純潔を何よりも大事に思う武道家と、一つの国の伝統だけにこだわらず、異国に渡りそれぞれに進化した物の美しさを愛でる骨董屋。
二つの思想が少しずつ数を増やし、やがて政治に絡みつく。
古い自費出版の本から、戦後日本で大きな力を手に入れた三者を辿るうち、鳩やサーシャの過去も少しずつ語られていく。
美しい人形のようだったサーシャが、やっと人間らしい姿を見せてくれるようになって、なんだかとてもうれしい。
|