2016年09月10日 読了
今度の依頼はユーチューバ―と、いい加減な整形をされて顔が崩れた女たち、さらには心も体も壊すブラック企業。
G-ボーイズのキングであるタカシが、久しぶりに自分で戦う。
そして唯一心を許せるマコトの家で、わずかな時間安らぐ様子がほっとさせる。
久しぶりに出たシリーズだけど、変わってなくて安心した。
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読書と手芸の記録
2016年09月10日 読了
今度の依頼はユーチューバ―と、いい加減な整形をされて顔が崩れた女たち、さらには心も体も壊すブラック企業。
G-ボーイズのキングであるタカシが、久しぶりに自分で戦う。
そして唯一心を許せるマコトの家で、わずかな時間安らぐ様子がほっとさせる。
久しぶりに出たシリーズだけど、変わってなくて安心した。
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2016年08月27日 読了
自称「偽恋愛小説家」の夢宮宇多と、新米編集者の月子。
夢宮の物語の解釈にいつも驚かされ、感心し、惹かれてきた月子が、幼馴染のお兄ちゃんと再会して求愛されたために揺れ動く。
わがままな夢宮に振り回されながらも、いつも頭から離れない月子がかわいい。
誰もが知るおとぎ話を、書かれた時代の背景を元に解釈しなおす夢宮の語り口は、黒猫シリーズに重なって、新鮮な驚きがある。
風刺だったり戒めだったりする昔ばなしは、色んな意味を含んでいて、それはきっととても分かりにくい。
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2016年08月21日 読了
江戸川乱歩賞受賞作。デビュー作。
東北の牧場で、競馬評論家・大友隆一とその牧場長が銃殺される。
大友の妻である香苗は、馬の事は全く分からないが、夫の行動に不信を持ち、友人の芙美子と共に事件を調べ始める。
競馬の事はさっぱりわからないが、関心がなくても十分楽しめた。
有名な「クラインの壺」よりもこちらのほうがおもしろい。
王道のミステリーといった感じで、遺伝子の仕組みを思い出し、ちょっとした知識欲も刺激される。
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2016年08月10日 読了
情報分析員の葉山隆は、ある男の情報を調査を始める。
その男は、ある国の指導者の息子だという噂。そしてその彼が亡命を希望しているという噂。
調査を進め、真実に近づいていくほどに、有望な政治家の人生が削られ、崩されていくことになった。。
情報が何よりの宝となる人たちが、伝説となった人物の残した遺産を探り出す。スパイたちの仕事。
最後は悲しく、暖かく、でもうすら寒い何かにまとわりつかれる。
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2016年08月05日 読了
浮気のあげく子まで作った夫とどうにか縁を切ったおこう。
実家に戻ると兄嫁に身代を根こそぎとられ、もめ事にうんざりしてふと思い出した乳母のところへ向かう。
口入屋をしているという乳母のおとわは病に伏していた。
おこうはその「三春屋」という口入屋に雇ってもらい、おとわの看病をしながら仕事を覚え、やがて2代目となる。
いきなり身を切るような辛い場面から始まる。
行き場がなくたどり着いた「三春屋」だが、そこでおこうは生きる力を取り戻す。
口入屋にやってくる色んな客やご近所さんが個性豊かで、幸せな結末にほっこりする。
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2016年07月23日 読了
期末試験中の風ヶ丘高校。試験勉強をしようと学校最寄りの風ヶ丘図書館に向かった袴田柚乃は、そこで殺人事件が起こったことを知る。
アドバイザーとして警察に協力しているヘンタイの裏染天馬と、いつものメンバー。
頭がいいけどオタクな裏染が、今回もいい推理といい変態行為を起こしている。
試験と共に進む意味があまりなさそうだと思っていたけど、事件と関係ないところでするりと繋がっていき、意地悪な級友にさりげなく仕返しをしていたりと、細かいところも見逃せない。
他人に興味がなさそうな裏染なのに、大きなショックを受けた女の子にやさしかったり、中学で家出を決意したり、近寄りたくないけど見ていたい希少動物のような人物で面白い。
次作では家出の原因がわかるかな。
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2016年07月21日 読了
父が亡くなり、謝金を返すために家財道具を売り払ってしまうと、残すは父が集めていた根付のみ。ところが、それを売りに行く前日に必ず後ろ足の先だけ白い黒猫の夢を見るというおきみ。
その猫のせいでどこも断られ、最後は皆塵堂にやってきた。
足りない分は身を売ることになるおきみに、皆塵堂の主人・伊平次は一計を案じる。
皆塵堂にまた新たな居候。
今までの居候もあちこちに登場し、賑やかになる。
たくさんの猫が出てきて、それだけで癒されるうえ、個性豊かな登場人物が変わってなくて安心する。
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2016年07月16日 読了
医者の家系に生まれ、自身も医者だが死体専門の美馬正哲と、産婆をやっている妻のお杏。
おろく(死体)が見つかるたび呼ばれる正哲と、誰かが産気づくと呼ばれるお杏という、対照的な仕事の二人が生と死に向き合う。
夫婦の形はそれぞれで、お互いと自分の仕事に向き合う二人はとても頼もしい。
淡々と進んでいくがとても暖かい気持ちになる。
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2016年06月29日 読了
フリーライターの八坂は、オカルト雑誌の編集長からおかしな取材を頼まれる。
それは、「兄が『読むと発狂する本』を残して失踪した。本の真贋と兄の行方を知りたい」という娘からの依頼であった。
そして見せられた不吉なメモ。
読むと発狂するという本を読み始める八坂。内容を追い、真相を追ううち、これは真実の記録ではないかと思い始め。。。
1ページ目の警告が怖い。好きな作家だから期待も大きくてすぐ読みたいのに、なぜか本を閉じたくなってしまうくらい怖い。
でも面白くて捕り込まれるように進み、うすら寒い怖さを楽しんだ。
しかし、最後は解決と気づきと奮起でなにやらするりと交わされたような気分。
解決編があるのだろうか。
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2016年06月21日 読了
17歳の時に出会ったピアノの調律師に魅せられ、その道を選び取った主人公の外村。
見習いとなり、色んな調律師やピアノと出会い、成長していく物語。
人生を決めることになった板鳥との関係は、高殿 円の「上流階級」と似ている。
穏やかで的確な指示、指針となるべき言葉は確実に外村に届き、悩み迷った末に答えを見つける。
さらりと読めて気持ち良い。でも終わり方がやっつけのよう。
そして、羊はあちこち出てきて馴染み、納得できる出来事も多いが鋼はどこに?
『田舎の紳士服店のモデルの妻』ではとてもがっかりしたけど、こちらは比較的いい読後感。
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