2012年02月05日 読了
ちょっと足を踏み外し、まともな生活から滑り落ちてしまった元大学准教授の男の名は、鏑木。
ヤクザに拾われたが杯を交わしたわけではない彼が、使い走りとして揉め事を調べて回る。
一般人でもなくヤクザでもない位置にいて、気楽な探偵のようで命の危険も、ややある。
五条作品にはちょっと珍しいタイプだった。
面白くて1日で読んでしまった。
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読書と手芸の記録
2012年02月05日 読了
ちょっと足を踏み外し、まともな生活から滑り落ちてしまった元大学准教授の男の名は、鏑木。
ヤクザに拾われたが杯を交わしたわけではない彼が、使い走りとして揉め事を調べて回る。
一般人でもなくヤクザでもない位置にいて、気楽な探偵のようで命の危険も、ややある。
五条作品にはちょっと珍しいタイプだった。
面白くて1日で読んでしまった。
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2012年02月04日 読了
クロハの、新米警官時代の短編。
クロハが前2作のようなストイックな捜査をする原点が描かれている。
寡黙で強面の上司が見せる、親のような接し方も、クロハの危うさを引きたてていた。
毎回、表紙の闇にうかぶ蝶が切ない。
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2012年01月15日 読了
ストリート・ギャングの亞宮は抗争で捕えられ、施設に入れられた。
そこは、巨大なドームで覆われ、囚人の自治が認められた不思議な刑務所だった。
どこにあるのか、名前はなんなのか、なぜ入れられたのか。
訳がわからないまま次第に慣れ、やがて奇妙な思惑を感じるようになる。
閉鎖された空間の、何者かが操る奇妙な自由の中で、何を起こさせようとしているのか。
全体を見回せないもどかしさの中で上手く立ち回る奴らの考えが、破壊する快感を分けてくれて、なぜかとても心地よかった。
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2012年01月04日 読了
元刑事の須賀原の目に留まったのは、こぼれ落ちる涙を拭おうともせずに、立ち尽くしていた少年。
彼が気になり、声をかけてから、二人は相棒となる。
死者が見えるために孤独を選び、常に下を向いて生きてきた少年と、己を律する手段を孤独とした元刑事。
軽いホラーかと思っていたら、暖かかった。
小路幸也が好きな人ならお勧めしたい。
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2012年01月03日 読了
宮内庁管理部大膳課で昭和天皇の食事を担当した著者の、18年間の記録。
料理人として修業を始め、縁あって宮内庁に雇われた彼が、普通では決して見ることのできない皇室の食事事情を覗かせてくれる。
ジャムのサンドイッチが好きだったり、私たちから見ると不思議なルールだったり、昭和天皇の人柄も覗き見れて、なかなかに面白い本でした。
鶏の頭を落とす際に、意地悪な先輩が誤ったふりをして渡辺さんの指をすとんと切り落としたという話が衝撃的だった。
それほどのイジメがあるところでさえ、料理への熱意があれば耐えていけるものなのか。
私は、無理だな。。。
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2011年12月21日 読了
誰がどんなルートでさばいているのか依然つかめないまま、広がりつつあるファービーの常用者。
今回は、美しい占い師ドゥルダにそそのかされた製薬会社の兄妹たちが主役。
4人の愛人に次々に子供を産ませ、子を引き取ったら母親は金と引き替えに地方へと追いやっていた父。
そんな父から愛情を少しももらえなかった子ら4人。
母を探す者、父を追い詰める者、蹴落とそうとする者。
そんな兄妹を囲むように暗躍するサーシャやすみれ。
いろんな繋がりが見えて来て、これまでの話をよく思い出さないと迷いそうになる。
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2011年11月25日 読了
社員を調査し、面接をしてリストラをする仕事をしている村上真介。毎日、依頼のあった会社の社員に自主退職を勧める。
前作でリストラした8歳年上の女性と交際中で、仕事中と彼女と居る時のキャラが大きく違っていて面白い。
今回はタイトルにもなっている「借金取りの王子」が一番印象的だった。
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2011年11月07日 読了
ばらまかれる偽ドル札。
その運び屋としてチョンという男を追うことになった葉山。
北朝鮮と日本で家族を持ち、ただ家族を守るために命を落としてもいいとするチョンの動きは、葉山の心を惑わす。
復権を果たした金達玄の話から数ヵ月後、まだ心身共に傷の残る葉山の仕事は、前作よりも感情豊か。
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2011年10月14日 読了
それぞれの章は、誰かからの手紙で始めり、また手紙で終わる。
「中華文化思想研究所」の所長の仲上は、かつて中国からの手紙を受け取る仕事をしていた。
「中国通」と言われるその手紙の相手とのやり取りや、最初からすごく存在感はあるのに最後まで名前しか出てこない人物など、どれも興味深い。
彼が活躍していた頃の話も読んでみたい。
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2011年09月10日 読了
西日本国際空港で、テロが起こる。
次々と発見される麻薬の運び屋。海外からのアーティストにぶつけられる卵。
けれどこれらは、周到に用意された罠の一つだった。
強い信念を持ち、そのためなら罪を犯すことさえ厭わず、ただ故郷のために。
その力はROMESを揺さぶるほど大きい。
成島の、周りを振り回す行動はすでに気持ちがいいくらいで、
ROMESの成長を成島と共に見守っていきたくなる。
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