コンカツ?


2012年05月31日 読了
 結婚したい。子供が欲しい。それよりまずは恋をしたい。
何を望んでいたのかも曖昧になるくらい悩む。そんな女たちのいろんな感情が全部出てきた感じ。
 女4人、それぞれの願いと幸せのために今週も合コンへ行く。
 
 それぞれの焦りや不安や悩みは、少し年齢や立場が違えば全く理解できないものだろう。
おもしろくないと感じた人は幸せだ。
 あてどない不安に、読んでいくととても辛くなる。

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真夜中のタランテラ


2012年05月26日 読了
 義足のダンサー桐生志摩子が、アンデルセンの童話「赤い靴」を連想される姿で殺されていた。
 彼女の義肢を作った『仲井義肢製作所』の義肢装具士・香坂徹は、彼女の夫から相談を受け、調べ始める。

 装具士、義肢ユーザー、その家族たちの生活や思い、そして義肢そのものの意義。
 失った体の機能を補完するために義肢を使う人がほとんどだけど、中には「ありのままの自分」になりたくて体の一部を切り取りたい人もいるという。
 探偵役の鴇のスマートな推理が面白く、シリーズ化しそうな予感。

七十歳死亡法案、可決


2012年05月22日 読了
 高齢者が3割を超え、その社会保障費で国が崩壊するほどになった日本で、70歳になったら日本国籍を持つ者は死ななければならなくなった。
 
 衝撃的な法案。しかしある意味魅力的。
内容は、それぞれの世代の身勝手さが強調された普通の家族の話。
全て丸くおさまった例としてはいいかもしれない。
こんな法案ができるほど、むやみに生きながらえさせられる社会は、嫌だなぁ。

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ウィンター・ホリデー


2012年05月10日 読了
 ワーキング・ホリデーその後。
期間限定の父親のヤマトのところへ、出来のいい息子が遊びに来る。
 子供のようにはしゃいで悩むヤマトがベタすぎて恥ずかしいくらいだけど、やることも起こることも全てが”悪くない”。
 最後は必ずハッピーエンドなのも。

 何があったわけでもないけどしんどいなぁと思っていた時に読んで、ちょっと癒された本。

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綺譚の島


2012年05月03日 読了
 尾張の国の南に、小さな島があった。
そこでは古くからのしきたりや儀式がいまだ行われ、解けない謎と共に事件が残っていた。

 読みだすと止まらない。
探偵役の海老原が、自分だけわかっていながら誰にもヒントもよこさないので余計に気になり読み進めてしまう。
 多少強引な推理も楽しめた。

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エムブリヲ奇譚


2012年04月22日 読了
 奇妙な旅のお話。
人々が旅をするようになり、宿や温泉の道中記が売れるようになった時代。和泉蝋庵は、旅をしてそれを記事にしていた。
だが彼には一つ、とても面倒な癖があった。

 話は彼の旅の連れとなる相棒の側から語られる。
蝋庵の迷い癖のために妖しい町にたどり着き、不思議で恐ろしい体験をするも、その街へは二度と行けないため本にならない。
 ホラーだけど、お伽話だからグロさはない。

 個人的には、ついている栞が気に入りました。

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荻窪 シェアハウス小助川


2012年04月06日 読了
 母親から、そろそろ自立しなさいと出された先は、2年前まで医院をしていた近所の小助川先生が始めたシェアハウス。
 そこへ集まってきた同居人たちとの、ほんのり暖かくて優しい時間。
 ひどいことも起こったりするけど、それが悪意に繋がらない。

 この人の本はどれも穏やかで人にやさしい。
読み終わった後も安心できて、誰かにたくさん話を聞いてもらった後のような気分になる。

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カルトローレ


2012年04月04日 読了
 ≪船≫を降り、地上での生活になじむための適応化プログラムを受ける主人公。
 ≪船≫から持ち出した封印された書物を解析するのが仕事である。しかしまだ1ページも見ることができないまま自然発火により燃え尽き、そこから不思議な蔓科の植物が芽生えた。

 書かれているものすべてが、表紙にあるレースのように幻想的。
子供の頃の記憶が曖昧であるのと似ていて、夢の中でうっとりと過ごす時間のようで心地よかった。

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要介護探偵の事件簿


2012年03月12日 読了
下半身不随になり、要介護認定をうけた玄太郎おじいちゃん。
足は悪いが口も頭も達者で、不甲斐ない相手には所構わずどなり散らす。その性格のために信望者も多いが敵も多い。

 昔ながらの頑固老人といった感じで、無礼や無作法は余所者であってもかまわず叱る。
 そんなおじいちゃんが、警察はあてにならんとばかりに事件に首を突っ込む様子は、表紙の絵そのものでほほえましい。
 是非続きが読みたい。

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プリティが多すぎる


2012年03月02日 読了
 出版社に勤める主人公の佳孝は、社内の配置転換でローティーン向け雑誌の「ピピン」編集部へ異動になった。
 ピンクでキラキラでちっちゃくてたくさんの服や髪飾りや小物達の中で一人、眩暈を覚える。

 文芸部門への希望と憧れを捨てきれないまま、中学1年から高校1年までのモデル「ピピモ」達と撮影と編集の日々に浸る。

 いい大人の男がそんな雑誌に関わっているなんて友達には言えないし、仕事に胸を張れない。それでも割り切って仕事を進めていくうちに見えてくるもの。
 いつもの本屋シリーズより数倍はおもしろかった。

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