2013年03月26日 読了
江戸、囲碁の家元に生まれ、将軍の御前で碁を指す2代目算哲は、お役目を退屈だと感じていた。
そんな折、算術も得意だという算哲の噂を聞いてある”命”が下る。
映画を見てからの原作だったのだが、さすがに映画のそれぞれのシーンにまつわる出来事に深みがあって、読み始めたら止まらなかった。
算術はちっともわからないし、天文はもっとわからないけど、清々しい気持ちで終われる。
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読書と編み物の記録
2013年本文作成
2013年03月26日 読了
江戸、囲碁の家元に生まれ、将軍の御前で碁を指す2代目算哲は、お役目を退屈だと感じていた。
そんな折、算術も得意だという算哲の噂を聞いてある”命”が下る。
映画を見てからの原作だったのだが、さすがに映画のそれぞれのシーンにまつわる出来事に深みがあって、読み始めたら止まらなかった。
算術はちっともわからないし、天文はもっとわからないけど、清々しい気持ちで終われる。
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2013年03月24日 読了
皆塵堂2巻目。
生きる気力を無くした男が、丑の刻参りをする女の幽霊を見たため自分もやろうと思い立ち、皆塵堂で藁人形と五寸釘を買い求める。
曰く付きの品が集まる道具屋に、次に居候することになるのはその男。
前巻で書かれていた、猫が苦手で水が嫌い、そのうえ幽霊が見える太一郎ももちろん登場し、皆でそろってにぎやかに幽霊たちと対峙する。
今回も無事男は身を立て直すことができ、猫に振り回される太一郎がいい感じに和ませてくれる。
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2013年03月23日 読了
実家の道具屋を継ぐことになり、あちこち修行に出ていた太一郎は、最後の修業先に向かう。
そこは、どうみてもガラクタだらけの小汚い道具屋だった。
幽霊が見えるというおかしな体質を持つ太一郎が、曰くありげな品々を扱う道具屋で働くことになる。何となく嫌な感じがする、という物たちに振り回されながらも、幽霊を否定する太一郎。
あやかし指南の左門シリーズのほうがおもしろい。
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2013年03月21日 読了
霊感でも超能力でもなく、ましてや不思議ちゃんでもない。
「不思議体質」をもつ女の子・君枝。
どうしてもたどり着けない教室があったり、いきなり空を飛べたり、誰にも理解してもらえないことばかり起こる。
しかもかなり迷惑なその体質を理解してくれたのはただ1人、幼馴染の陸だけだった。
1人の少女の成長に合わせて起こる、ひと時の不思議。
荒唐無稽でやりすぎなくらいの出来事は、まるで絵本のよう。
でも最後は、こうゆうのもアリかなと思えてしまう。
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2013年03月19日 読了
江戸・吉原、廓の女たちの物語。
格子の向こうからただ眺めているだけの貧乏侍や、幽霊が出ると噂の部屋、復讐を目論む女。
いろんな身の上が少しづつ語られる短編集。
切ないだけで救われない女たちの世界のようで、それでも少しは報われることもあり。
泣く女がいることで、苦界の話も気持ちのいい後味になった。
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2013年03月17日 読了
脳梗塞で倒れた父に代わり、園芸業を営む主人公・蔵本翔の元に突然知らされた、2年7カ月前に別れた元妻・野々宮夏海の死。
忘れることも許すこともできなかった過去と、妻だった女の死をきっかけに、世の中のために働くNPO組織を隠れ蓑にした犯罪を追うはめになる。
主人公は暴力や脅しをうけながらも、かつての同僚や近所に住む少年に助けられながら黒幕に迫る。
『水上のパッサカリア』の大道寺勉と似た性格の主人公で、淡々と思いを綴っていく。
そのため、感情移入してはらはらするのではなく、大胆すぎる行動も熱くなりすぎずに傍観者として見れる。
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2013年03月14日 読了
川辺で釣りをしていた少年たちが侍の屍体を見つけ、その後子供たちは次々と死んでしまう。
その頃、手習塾の娘は狐憑きだという噂も流れており、さらに夜中にうろつく不審な影にも悩まされていた手習塾の師匠は、左門に相談を持ちかけた。
剣術師範候補の甚十郎に手伝わせて張り込みを始めた左門。
ひどい怖がりのためこれまでいくつもの縁談を断られてきた甚十郎も、少しずつ頼もしい面が見られるようになってきた。見合い相手まで見つかり、これで彼も一人前かと思い始めていたら、やっぱりそうはいかなかった。
素直に怖がる甚十郎と、それを笑いながらも認めている周り者のたちの、あんまり怖くない幽霊話。
このシリーズはいつもわくわくする。幽霊話なのに。
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2013年03月12日 読了
ひっそりと佇む百姓屋に、幽霊が出るという噂が左門のところに入ってくる。
そこは人死にが続き、持ち主が変わっても次々と死体が転がるので幽霊屋敷と評判だった。
いつものように様子を見に行った左門は、「あれは本物だ。近づかないほうがいい」と言って興味を亡くしたようだったが。
幽霊屋敷を買おうとする者たちに、一晩泊まって噂は本当かどうか確かめてほしいと依頼されてしまう鉄之助と甚十郎。
いつもなら生き生きと顔を突っ込む左門がいないせいで、とんだ災難に見舞われるのだが、左門は本当はいろいろと気付いたらしい。
人物の関係図がややこしいのでたびたび戻りながら読むことになったが、却って疑問や時間のずれなどを考えることができて楽しく読めた。
左門は頼もしく、甚十郎は成長が楽しみ。
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2013年03月09日 読了
あちこちの雑誌や新聞に書いていたコラムを集めたエッセイ集。
一つ一つが短めで、ちょっとした空き時間にも気兼ねなく読める。
しかし、自分のことを「私」と言ったり「俺」と言ったり、いちいちまとまりがないので、三浦しをんという人の人物像が一貫しないためすごくわかりにくい。
エッセイに共感できるかどうかは、小説に共感できる率より確実に少ない。
私にとってはほとんど素通りだった。
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2013年03月07日 読了
ロベルトはその日、図書館へ向かう。毎年、その日には必ず。
話すことができず、神を信じることもできず、「問題のある子」として周囲から疎んじられていたロベルトに、一つの出会いが訪れる。
平賀とロベルトの出会い、二人の上司であるサウロと、サポート役のローレン、そしてジュリア司祭、それぞれの過去。
今回は平賀たちの活躍は語られず、短編。
ロベルトがより愛しく感じられ、ローレンは微笑ましく、サウロの偉大さに納得し、ジュリアの生い立ちが気になってしょうがない。
そして悪魔の子の名前も。。。
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