使用糸:リッチモア アルパカロボ (3)
編み図は毛糸&手芸 手作り広場イチカワ より
244g
高校事変 IV
スキー場に向かう中学生たちを乗せたバスが新潟県の山中で転落事故を起こし、その中に優莉結衣の弟が乗っていた。
彼らは吹雪の中、近くの廃屋へ避難したが、そこで弟は、運転手を銃殺し、その後自殺した。
結衣は、弟の行動に疑問を感じ、調べ始める。そしてかつて父の組織と敵対していた半グレ集団「パグェ」とのつながりを見つけた。
今度もたくさんの敵と戦う。今回は公安刑事二人と共に。そしていつものように、手近なもので武器を作り、見事に生き抜いた。傭兵のようなサバイバル術。
躊躇なく敵を襲い、そのくせ子供には無条件で優しい。人物像としては岬美由紀と同じ素質を持つため、毎回大規模な戦いばかりでも違和感はない。スキーツアーのバス事故や、京都アニメ会社での事件など、世間で起こった事件をすぐさま取り入れているため妙にリアルで恐ろしさも増す。
ネタは尽きなさそう。
琴乃木山荘不思議事件簿
山小屋「琴乃木山荘」のアルバイト、棚木絵里。
オーナーの琴乃木正美やベテランアルバイトの石飛匠に助けられながら、日々充実していた。
そんな時、同じアルバイトの先輩が「幽霊を見た」と言い出す。
絵里は、石飛と共に幽霊の正体を確かめに行くことになった。
日常の謎を、わずかな手がかりの中から解き明かす短編集。
でも、大崎 梢の書店員シリーズと同じ。舞台が書店から山小屋になっただけ。
謎も特に興味をそそるような謎でもなく、やがて殺人事件にまで出くわすのは、物足りなかったからか。
ダイヤ模様のストール
使用糸:リッチモア アルパカレジェード(7)
編み図:「まきものいろいろ」から
ダイヤ模様のストール 201g
鐘を鳴らす子供たち
戦争で日本が負け、まだ復興には程遠く、なぜかいつまでも食糧不足な昭和22年。
教科書に墨を塗るように言われ、毎日歌っていた歌を禁止されても、大人たちはなぜそんなことをするのか誰も教えてくれなかった。
そんな頃、副担任の菅原先生から「日本放送協会が、子供たちを主人公にした放送劇をするので参加してほしい」と言われる。
訳が分からぬまま、家の手伝いをしなくて済むという理由で参加することにした良仁は、忘れられない経験を得ることになる。
ラジオドラマ「鐘の鳴る丘」をモチーフにした作品。
といっても存在すら知らなかった。
子供たちが、これまでとは全く違った世界で、未知のものに興味と恐れを抱いていく様子が大きな圧倒間で迫ってくる。
複数の子供たちの特徴がくっきりとしていて混乱もなく、目が離せないほどの緊張感があるわけでもないのに止まらない。
むすびつき
妖退治で有名な高僧、寛朝から呼び出しをうけた若旦那。
しかも、妖と共に来てほしいと言われ、長崎屋の面々はそろって広徳寺に出向いた。
そこで見せられたのは、どうやら付喪神になったばかりの小さな玉。
そしてその玉は、若旦那のもとへ行きたいと願っていたようだ。
今回は若旦那の前世とかかわりがある話が続く。
安定のクオリティだが、その分ほっこりしたりやきもきする出来事が少なくなってきた。
皆といつまでも一緒にいたいと願う若旦那の気持ちが、変化を恐れているよう。
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ケストラーさんのミトン
使用糸 パピー クイーンアニー
「ベルンド・ケストラーのミトン」より
グレー×青 64g
青 84g
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メンズガンジーセーター
使用糸 パピー クイーンアニー (987)
「アラン&ガンジーニット」から
メンズガンジーセーター 831g
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アリス殺し
毎日同じ世界の夢を見ていることに気づいた大学院生の亜理。
ハンプティダンプティが死んだと聞いた次の日、大学へ行ったら、玉子というあだ名のポスドクが転落死していた。
妙な符号に不気味なものを感じた亜理。
夢の世界では自分が容疑者になっているのを知り、同じ夢を見る同級生の井森と犯人探しを始めた。
アリスの世界の、話を混乱させる言い回しが多用されつつ、だんだん死人が増えていく。
ほとんど進展もしないうちに次々と事件は起こるが、結局はただの思い違いで決着がついた。
夢の世界である不思議の国での出来事と現実がリンクしている様子は面白いが、もったいぶったあげくの結末がこれかと思うとガッカリする。
伏線を回収し、推理してつじつまを合わせる楽しみが感じられない。
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小説 日本博物館事始め
御一新に伴い、全国の寺院や城が壊され、美術品も海外に流出していく。
そんな日本をさみしく思う一人の男が、留学中に観た大英博物館のようなミュージアムを作りたいと願い、叶えた町田久成の物語。
小説というよりエッセイのような雰囲気の一人語り。
強い願いをただ持ち続け、様々なことをあきらめ、譲歩しながらも夢をかなえた久成の心情が、長年持ち続けた情熱を感じさせない静かさで描かれている。そのため、時々退屈に感じる。
まだ日本にはなかった博物館という概念を形にした久成をの人となりには興味がわいた。
そのあたりはもう少し描いてほしかったと思う。
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