藩邸差配役日日控


 神宮寺藩七万石の江戸藩邸。
「何でもや屋」とも揶揄されるお役目の差配役に就いている里村五郎兵衛は、日々様々な事に目を配らせている。
世子・亀千代君が失踪したとの知らせに慌てふためいたり、ご正室の猫が行方不明となったり、御用商人を巡る不正入札が発覚したりと忙しい。
「誰にもできぬお役を果たすのが差配方じゃ」という信条の元、一つ一つに誠実に向き合う五郎兵衛。

 何でも屋という通り、大きな陰謀から小さな修理の依頼まで、様々こなす五郎兵衛。
そして少しずつ信頼を得ていく様子や、持ち込まれる秘密への向き合い方など、真摯な姿に好感を持つ。
最後に明かされる飛び切り大きな秘密を、その親にすら守り通す姿は頑なとも見える。
読み始めから終わりまでに印象が大きく変わる物語だった。