ヘブン


 ヤクザともめてタイに逃げた真嶋。
しかしそこで真嶋は、麻薬組織に自分を売り込み、日本での麻薬販売ルートを乗っ取ろうと計画していた。
政界、芸能界、ヤクザとの後ろ暗いつながり、隠れ蓑となった宗教など、いろんなところが入り乱れて覇権を取ろうとするそこは、天国なのか。

 「あぽやん」シリーズとの差が大きくて、同じ作者だとは思えない。
全体的に裏社会の話なため暗いが、そこに入り込む月子のような女たちのおかげで華があるように見えている。
関わる人と立場が多すぎてややこしいが、それなりにいろんな面からの見方も入っていて何とか把握できた。
ケンカや銃、暴力や覚せい剤と、裏社会のものは何でも出てきた。
何かを成し遂げる話ではないが、一人の男の意地が強く残される。
探偵の田伏は重要な位置にいたような気がしたのに、さして活躍もなかったのが残念。

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