高円寺南商店街で小さな仕立て屋を営む桐ヶ谷京介は、美術解剖学と服飾には自信があり、服の痛みやシワを見ればその人の病気や暴力の影が見える。
ある日偶然テレビの未解決事件の公開捜査番組を見かけ、その被害者である少女の着ていたワンピースから目が離せなくなった。
桐ヶ谷は同じ商店街にあるヴィンテージショップの店主・水森小春に意見を求め、見つけた事実を元に警察に情報提供をするが、全く取り合ってもらえない。
二人は、自分たちでできることをしようと動き出す。
『法医昆虫学捜査官』シリーズと同じテイストだが、いろんな知識がちりばめられていて興味が尽きない。
もちろん個性的な登場人物もいるし、予想もしないところからの事実も出てくるし、驚きでいっぱいだった。
悲しい事実のせいで一番薄まっているけど、主人公の桐ヶ谷の性分の印象強さも相当だ。
そしてそんな専門的な知識を自信にしている彼らの矜持を一言で表す名言もあった。
「この謎がわからないようなら、わたしらは実践で使い物にならないプロ気取りの雑魚」
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