2009年09月01日 読了
革命期フランス、作者のもっとも得意とする分野。
宮廷内、微笑みと耳触りの良い会話に隠された思惑を読み取れない者は利用されていく。
市井であってもそれは同じ。薪をふんだんに使える生活がしたい、ドレスをまとい、柔らかなベットで眠る生活を。。。
そして今に生まれついた運命を変えたいと望む。
短編であるため、各物語はあっというまにすぎてゆく。でも毎日はたぶんそんなもので。それでもフランス王妃マリー・アントワネットが脇役で登場する物語は、印象深い。
信念を見つけ出すために費やすエネルギーは、静かに疼く種火のようなものかもしれない。潜む力が香り立つような目をした男の魅力が描かれていて素敵だった。
でもやっぱり長編が読みたい。
|