江戸、両国の見世物小屋では、「真実を語る」と評判の華姫がいる。
それは木偶人形で、使い手の月草が声色を変えてしゃべっているのだが、近くで見ても人形とは思えないほど人間にそっくり。
そして華姫は、両国一帯を仕切る地回りの親分の娘・お夏からも贔屓をいただいていた。
そんな時、親分の山越がお夏と共に風邪で寝付いてしまう。すると巷は、跡継ぎが誰になるかでもめ始めた。
ずいぶん久しぶりの華姫。もう設定すら忘れていたのに、全く気にならないほどすんなりと入り込める。
軽くて読みやすく、明るい内容で、華姫の華やかさもあって、どんな事件が起こってもどこか微笑ましい。
周りのもめ事を収めるといった内容は作者のほかのシリーズと同様だが、こちらは常に明るい気分でいられる。
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