ミレニアム5 下: 復讐の炎を吐く女


 ホルゲルの死が殺人として捜査が始まる。
そして釈放されたリスベットは、ミカエルと共に”レジストリー”の正体を追う。
それは双子に関する不思議な研究で、完全に秘匿されているとわかったミカエルは、リスベットから知らされた双子を調査し、そこに大きな陰謀を見つける。
一方、リスベットに叩きのめされたベニートは仕返しを目論み、仲間と共にリスベットを拉致する。

 ぶっきらぼうで他人に冷ややかなリスベットだが、刑務所でいじめられていたファリアを救い、弁護士をつけてその後の生き方までも保護しようとする。
暴力を振るわれることも振るうこともあるのに、理不尽な暴力は他人でも見逃せないでつい手を貸してしまうため、こちらは心配し通しである。
そしてミカエルの方は巻き込まれたことにはとことん調査してしっかり記事にするちゃっかり者だし、この二人は特ダネをつかみ取る力が大きい。
まだリスベットの妹との対決が待っているのだろうが、ホルゲルを失った後に拠り所となる人物がいないままなのは心もとない。