廃遊園地の殺人


 20年前、プレオープンの日に起きた銃乱射事件によって営業しないまま閉鎖となった遊園地・イリュジオンランド。
その後その場所を買い取り、完全に放置していた廃墟コレクターの資産家・十嶋庵(としまいおり)が、廃遊園地への招待をするいう。
数ある応募者の中から選ばれた10名には、『このイリュジオンランドは、宝を見つけたものに譲る』という十嶋からの伝言が伝えられる。
 廃墟には関心があるが、所有することについては諦めている主人公の眞上だが、周りの雰囲気に付き合い、謎解きに協力することにした。
招待客たちは宝探しをはじめるが、次の朝、参加者の一人が着ぐるみを着せられて柵にくし刺しになった血まみれの状態で発見される。
この謎解きは、ただの謎解きではない。

 ただのコンビニのアルバイトの眞上が、集められた人たちの共通点を見つけ出したり、行動から不自然さを感じ取ったりと探偵役をする。
犯罪におののく者、恐慌をきたすもの、淡々と観察する者など様々だが、眞上の冷めた目で語られるせいかこちらも傍観者でいられた。
登場人物は少ない割に区別がややこしかったので、ただ殺される役ではない者たちの活躍がもうちょっとあればもっとわかりやすかったように思う。