大正天皇の后となった節子の一生。
生まれてすぐに里子に出された節子は、農家の家で真っ黒になるまで日焼けしながら育った、元気な娘だった。
それがある日突然呼び戻され、さらには思いもよらぬ縁談を受ける。
そして将来の大正時代の天皇となる皇太子嘉仁親王の妻となり、病弱な夫を支えながら戦争に心を痛め、夫を愛した天皇の后としての日々を綴る。
とても分かりやすいタイトルのために最初から興味は大きかったが、読み始めるとそんなことは忘れてどんどんはまり込んでいった。
節子が夫にむける優しい目に穏やかな気持ちになり、戦争のせいで国民が受けた傷に傷つき、灯台守の家族や障碍者施設での交流に癒されて、まるで付き人になった気分だった。
自分の国のことなのに、普段見ることのできない部分に興味を持つきっかけになった。
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