2019年02月01日 読了
年の離れた夫を亡くし、学者だった夫の代わりに寺子屋で師匠をしているお桃。
学問も算術も、それほど好きではないお桃だが、子供に教える程度なら大丈夫であった。しかしそこへ、酒匂川の氾濫で両親を亡くした春が寺子屋を訪ねてきた。
自分にはない発想をする春と、算術が好きで才もある生意気な鈴と接しているうちにお桃は気持ちが乱れていく。
第11回小説現代長編新人賞受賞作。
しかし、なんだかお桃のキャラクターが一貫しない気がしてずっと違和感があった。
主人公の気質がはっきりしないのは、混乱もするし感情移入もできない。
算術の面白さは伝わるが、桃の人となりは伝わってこなかった。
それ以外の、夫や平助、春や鈴はとてもスッキリ伝わってくるのに、なぜだろう。
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