革新官僚・岸信介の秘書・瀧山が急死した。
元陸軍中将・小柳津義稙の孫娘の婚約者で、小柳津邸での晩餐会で毒を盛られた疑いがあったため、相究明を依頼された私立探偵・月寒三四郎は小柳津邸へとやってきた。
そこで、義稙宛に古い銃弾と『三つの太陽を覚へてゐるか』と書かれた脅迫状が届いていたことを知る。
瀧山の件を調べていたはずが、またも小柳津邸で毒殺事件が起こる。
事は満州の裏の顔にまで広がっていった。
登場人物の人種が様々で、さらに部隊が満州ということもあり、名前や地名などが分かりにくく、繋がりが見えてくるまでは苦労した。
ただの殺人の調査だったはずが、大きな政治の力まで加わってきたときにはもう戻れないくらい巻き込まれている探偵の月寒。
それでもはったりをかませながらも恐れず乗り込んでいき、最後は大物とも駆け引きをする。
すべてを知りたいと思ってしまうのは探偵らしいが、命知らずと紙一重でハラハラしながら楽しめた。
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