大厄災により人類は1%未満まで減少し、あらゆる問題を解決するために作り出された人工知能の「カーネ」により生活や判断、結婚や出産までも管理される世界。
しかしカーネのおかげで争いはなく、様々な役割をもった集団によって生活は十分に潤い、安定した人生を送れる時代。
「知識の島」で研究に勤しむ主人公・アムスは、ある日大好きなセーファと共に偶然死体を見つけてしまう。
それは良く知った人物で、しかもむごたらしい拷問の末、心臓を一突きにされた助教授だった。
暴力などなく、平和で穏やかな暮らしをしていた島に、突然起こる不穏な出来事。
それは、助教授が南極から持ち帰った未知の哺乳類のせいだという。
その生き物によって幾人もが殺され、やがてアムスが聞かされるその哺乳類の真実に驚かされる。
情報が管理され、故意に知らされない事がある世界では、当たり前の自然であっても驚異となる。
それにしても、未知の哺乳類の獣っぷりはひどかった。ろくでもない性質のものを選んでしまったのか、知らないゆえの恐怖で大げさになっているのか。
そして男女の区別はあって知識もあるのに、割り当てられることに疑問がわかないのは不思議。