エンドレス・スリープ


 大井の港湾倉庫で火災が発生した。ただの火災かと思っていたら、そこから冷凍された5人の死体を発見する。
最初に身元が判明したフリーライター・如月啓一が書いたと思われる原稿には、6人の素性が書かれており、警察はそこから身元を特定し、なぜ冷凍されていたのかを調べ始める。
少しずつ公表される如月のブログと警察の調べが交互に描かれ、冷凍されていた経緯や身元などが分かり始めると、より一層不気味な謎が深まってく。
彼らはなぜ、冷凍されていたのか。

 一人ずつ判明していく死体の素性。
彼らは皆、死の間際にいたことが分かる。
そして彼らの、身震いを起こすほどの死への恐怖が伝わってきて恐ろしくなる。
ただ、警察の視点で描かれている部分がそれを中和させてくれいて、ホラーの部分が薄まっていたために読みやすかった。
コールドスリープ、不死、延命、緩和ケアなど、死を考える題材にはいいかもしれない。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。