2013年02月01日 読了
『幕末銃姫伝』に続く山本八重の半生。
会津開城から、八重の長い戦いが終わるまで。
作中何度も出てくる「報復」という言葉が、八重のすべての思いを包んでいる。
何度もすれ違いながらどうしても届かない恋も、切なさを増長させた。
兄の覚馬があまりにも優秀すぎるような気もしたが、それはそれで史実なのだろう。
参考資料の多さに驚く。
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読書と手芸の記録
2013年02月01日 読了
『幕末銃姫伝』に続く山本八重の半生。
会津開城から、八重の長い戦いが終わるまで。
作中何度も出てくる「報復」という言葉が、八重のすべての思いを包んでいる。
何度もすれ違いながらどうしても届かない恋も、切なさを増長させた。
兄の覚馬があまりにも優秀すぎるような気もしたが、それはそれで史実なのだろう。
参考資料の多さに驚く。
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2013年01月30日 読了
江戸川乱歩賞の第一号。
ヤセでノッポの植物学者・雄太郎と、太めでチビの音大生・悦子が、間借りをしているところの近くで事件が起こり、警察よりも早く犯人にたどり着く。
推理は大抵兄のほうで、妹はちょこまかと口出しをする。
高感度No.1の探偵と言われているが、やたら長い作品で、かといって削れるような部分もなく、不思議な存在感を持つ。
手掛かりはすべて作中に出すという、「後だし」がないせいか、すっきり読めた。
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2013年01月24日 読了
渦巻く風や、冬にだけ行ける明日、砕ける者たちや本能。
一つのアイテムから次々に想像を膨らませて、現実ではないことをへどんどん歩いて行くような、5つの物語。
想像だけで、根拠や理屈は全く無視した話が続き、他人の夢を覗いているよう。
でもどれも少し闇がある。
「夜行の冬」が一番面白かった。
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2013年01月22日 読了
『水上のパッサカリア』続編
主人公の勉がアメリカのキャンプにいたころ、初めて抱いた女であるマリアンが、日本に来ていた。
交通事故に巻き込まれ入院しているというニュースを見て、一度のつもりで顔を見に行ったのだが、その直後、彼女は病院から姿を消す。
相変わらず一文が長くて読みにくい面もあるが、勉の頭の中の流れがよくわかる。
誰しもそう論理的に考えを巡らしているわけではない。
巻き添えを食う形でまたもやハードボイルドにはまる勉。
慣れてしまえば入りこめるが、好き嫌いが激しく出そうな作品。
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2013年01月20日 読了
中学に入って学校に行けなくなった主人公のまい。
少しの間、おばぁちゃんのところで暮らすことにしたまいの、「魔女修行」の優しい日々。
本屋に行くたび目が行っていた本。
映画を先に見たせいか、ずっとその映像と共に進み、その風景を文章がもっと深めた。
やっぱり素敵な物語だった。
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2013年01月18日 読了
英語の先生である漱石先生のところで、書生をすることになった主人公。
先生はかなりの癇癪持ちで変人、訪ねてくる友人もおかしな人ばかり。
そんな中、探偵小説好きの書生は、先生の家で起こる怪事件を推理する。
あの有名な書き出しを、知らぬ人はいない。
その漱石先生の家で起こる、名前のない猫も巻き込んだミステリー。
パロディとして、こんなに上手におもしろく話がまとまるとは。
大きな謎でも事件でもないけど、それぞれの個性がとてもよく出ていておもしろかった。
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2013年01月14日 読了
第2回アガサ・クリスティー賞受賞作。
裕福な貴族の身代わりとして大学に通うエリオット。
ある日美しい若者シグモンド・ヴェルティゴが現れ、そこからエリオットは、貴族の血に潜む神の呪いを追いかけることとなる。
いくつかの代をまたぎ、血の濃さと時間に繋がれたシグモンドと、もう一人の人智を超えた存在のベネティクト。
哲学と言葉遊びとを使って、まるで数世紀前の英国の小説のようで没頭できた。
冒険小説のような余韻も残って、いろんな要素が味わえる。
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2013年01月12日 読了
東京都江東区豊洲にある豊洲署の生活安全課の刑事・岩倉梓のところにやってくる仕事は様々。
ネグレクトや詐欺、孤独死などの、一つ一つは事件になるかならないかといったことばかり。自分に自信がなく、気落ちしがちな梓は、事件性がなくて早く切り上げるべきそれぞれの問題を、追及してしまう。
同僚は大きな事件の担当をしているのに、梓がいま携わっている問題は小さなことだと焦ったりしながらも、気になることを放ってはおけない。
それが功を成す彼女をしっかりと見つめる上司。
大げさな煽り文句があったけど、割と普通な刑事ものだった。
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2013年01月10日 読了
黒猫がフランスへ行ってから半年、付き人は研究を続けていた。
次のテーマにポォの「アッシャー家の崩壊」と似た、綿谷埜枝の小説を選んだ付き人は、唐草教授と共にその作家の元を訪ねる。
同じころ、黒猫もフランスで「アッシャー家の崩壊」に出会っていた。
黒猫と付き人のシリーズ3作目。
相変わらず黒猫の美学講義は難しいけど、二人の思いは同期している。
文学を研究している人はこんな風に読み解いていくのかと思うと興味深い。
黒猫の意地悪な言葉と裏腹な行動は、とても切なくてロマンチックだった。
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2013年01月08日 読了
日本ミステリー文学大賞新人賞。
主人公の勉は、一回り近くも年の離れた菜津と暮らしていたが、彼女は半年前に交通事故で死んでしまった。
ひとり静かな暮らしを始めた勉。ある日仕事から帰ってくると、家の中には昔の仲間が集まっていた。
単調でくどい文章で書かれた、女や犬はただの道具としか思っていないような、感情の薄い、何事にも執着しない主人公の勉。
とても嫌な人物に思えるのに、なぜか嫌悪感がない。
おもしろい人物だと思いながら読み進むと、この文章独特の面白みが分かってきて止まらなくなった。
本当はちゃんと感情もあり、他人や動物も慈しむことができ、それらの気持ちもよく理解できている勉の、生き様。
選考委員以外の読者には、なぜか酷評されている。
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