残される者たちへ


2010年11月03日 読了
 ある日届いた同窓会の通知。
なぜか行く気になって向かった主人公・準一は、かつて親友だった押田のことをまったく覚えていなかった。

 記憶からなくなっている親友、母親の記憶を<思い出す>少女、その少女を治療する女性。

 すべてに共通するのは、寂れて人がいなくなりつつある団地。

 人間とは違う<彼ら>の気配がする、記憶がある、思いに気づく。
 気味の悪さが徐々に優しさへと変わっていくが、映画にありそうな設定。

 懐かしい思い出はどこかが変化しているかもしれないという曖昧な不安をストーリーにしたらこんな感じ?

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小鳥を愛した容疑者


2010年10月20日 読了
 銃撃を受け、捜査の最前線から離れた須藤。リハビリを兼ねて配属されたのが警視庁総務部総務課動植物管理係。容疑者のペットを保護する部署なのだが。

 動物マニアの薄巡査と共に現場へ向かい、ペットの世話をしつつ、謎を解き明かす。
 古くからある名探偵モノと同じように、ヒラメキがすべての鍵となる。ある意味動物が主役。結末は想像の通り。

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非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク8


2010年10月13日 読了
 シリーズももう8作目。流れはもう水戸黄門並みで、どうしたってわかってしまう結末だけど読んでしまう。

 今まで見えなかった底辺で働く人、シングルマザーになるしかなかった人。でもそいつらが「高い階級」と呼ぶヒトたちにも必ず苦悩はあって。

 今回は跡を引くほどの話はなかったけれど、まだこのまま続くんだろうなと思う。

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風が吹けば


2010年10月10日 読了
 高二の夏、親が勝手に決めたバイト先にいやいや向かった健太。
ゆる~い感じでなんとなく生きていこうと思っていた健太が、突然の風に巻き込まれてタイムスリップしてしまう。

 落ちたのは84年。バイト先の和希さんの若いころ。
聖子ちゃんカットとくるぶしまでのスカートと特攻服とバイク。
「つっぱり」たちとの交流。

 『インディゴの夜』の強さはそのままだけど、展開や結末まで、すべてがベタな84年スタイルに沿っている感じがおもしろい。

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短劇


2010年09月23日 読了
 1話4,5ページほどの、短いお話。だんだんとブラックになってきて、うすら寒い空気が漂いだす。

 本当にこの人の作品かと思うくらい、今までの物とはまるきり違う。
 怖くて、寂しくて、思わず誰かを探したくなる。

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植物図鑑


2010年08月16日 読了
 ある日、男の子を拾った。
マンガでもあったような設定。出てくるのは雑草。

 道草の話ばかりで飽きが来た頃、やっと恋の話がやってくる。
そして作者お得意の甘々な描写。
 男では絶対思いつかないやり方、少女マンガかと思える内容で少し胸やけしそうだが、この人は絶対最後はハッピーエンドだとわかっているから読み続けられる。
 まぁ実際こんなことされたらもうダメだろうなって感じ。女の子の妄想が走りまくってる。
 その分主人公の魅力は他の作品にくらべてかなり低い気がして残念。

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極北クレイマー


2010年08月08日 読了
 財政破綻目前の極北市。そこにやってきた医師・今中はあまりの実情にがく然とする。

 極北の病院が舞台というので、てっきりジェネラル・速水の話かと思っていたら違った。小さなコミュニティでいつの間にか出来上がった不文律がまかり通る場所で、外からの参入はさぞ居心地が悪いだろう。前半はまさにその居心地の悪さがこれでもかと描きだされ、今中と同様にこちらもげんなりする。

 海堂の作品はいつも後半で走り出す。やっと個々の役割が見えてき、読む速度も増す。

 今回は白鳥ではなく姫宮が一陣の風となった。

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ヨコハマB-side


2010年08月07日 読了
 横浜駅西口繁華街・ビブレ前広場に集う人々の、「ちょっとニュース」な出来事。

 短編でそれぞれメンバーは違うが、どれも同じ町にいる彼ら。繋がりはほとんどなく、すべてが伏線といえる。
それでも、本筋といえるかどうかわからないくらいの愉快犯がすべてに登場し、あっけないほどの解決でさらりと終わる。

 「インディゴの夜」のような存在感はなく、物足りない。

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モップガール


2010年07月24日 読了
 「お部屋磨きで、自分も磨こう!お掃除スタッフ大募集」
アルバイトで向かった先は少し変わった依頼も受ける掃除屋。

 主人公がいきなり感じが悪いなんて、しょっぱなからあり得ない。さらにストレス性の難聴があったのは子供のころからなのに、その難聴の副作用的なスキルが覚醒したのがこのバイトがきっかけって、時間差ありすぎじゃない??

 などと、いまいち納得できない設定が多かったわりには、思いのほか楽しく読めた。
 ドラマにもなったみたいなので、機会があれば見てみたい。

 でも最後はなんだか、薄気味悪いシーンで終わる。
ここはもうちょっとロマンチックなことのはずなのになぁ・・・。

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インディゴの夜 ホワイトクロウ


2010年06月10日 読了
 クラブ<インディゴ>の夜は相変わらず。
今回は<インディゴ>の中の話だけじゃなく、ホスト達のプライベートがメインになっている話も混ざる。

 すっかり板に付いたホスト探偵団。その分女の子たちの影は薄くなったが充分楽しい。

 自分だったら誰を指名するかなーって思いながら読む。