三人書房


 作家となる前の江戸川乱歩が、兄弟で営んでいた古本屋。
そこへ持ち込まれるのは、松井須磨子の遺書らしいと言われる手紙や、浮世絵の贋作の噂など様々。
同じ時代を生きた宮沢賢治や高村幸太郎などとの交友と、不可解な事件に興味を持つ若き日の乱歩。

 第18回ミステリーズ!新人賞受賞作。
乱歩が興味を持つのは、不可解な事件。
それを、知人を通して現地をみにいったりして謎を解いていくのだが、三兄弟の個性は特徴的なのになぜか区別がつきにくい。
古本屋をやっていたわずか二年の間の出来事とあって儚いイメージがあり、乱歩が独自に調査して製本し、こっそり値札をつけてやなに並べていた本というのが興味を引くが、それについては関連してこなかったのが残念。
読みにくかった。