あの日、タワマンで君と


 就職活動を途中でやめ、配達員をしていた山下創一。
ある日、高級レストランから料理を届ける仕事が入った。
依頼人は六本木でもっとも高いタワーマンションの最上階に住む多和田という男で、到着すると強引に部屋に上がらされる。
そこから、創一の生活は一変する。
いつしか多和田の部屋に入り浸るようになり、さらにエスカレートしていく。

 最初から不穏な雰囲気が漂うが、それはずっとついて回る。
享楽的な生活、金にものを言わせ、他人を操り、やがて綻びが広がっていくという一通りの流れが違わず起こる。
どの部分も不快でしょうがなかった。