虚池空白の自由律な事件簿


 自由律俳句の伝道師といわれる俳人・虚池空白と、編集者の古戸馬。
2人は落書きや看板など、街の中で見かける詠み人知らずの名句〈野良句〉として集めていた。
行きつけのバーの紙ナプキンに書かれた文字、急逝した作家が一筆箋に残した遺言めいた言葉、夜の動物園のキリンの写真と共にSNSに投稿された言葉など、偶然見かけた言葉から、それらの背景を推察する。

 誰が残したメモなのか、どんな意味があるのかを推理していく二人。
時にそれが犯罪めいた出来事まで見つけ出してしまう。
でももともとの「自由律俳句」になじみがないせいか、なんだかしっくりこない。
ただの日常の謎なのに、わざわざわかりにくい言葉を使って煙に巻かれている感じがずっとあった。