同期


2009年12月06日 読了
 「タイプは違うけど、どこか共通点があるように思う。」
それが同期だろう?

 それなりに仲がいいと思っていた同期が懲戒免職になり、行方すら分からなくなった。

 刑事としてそつなく定年まで勤めればいいとどこかで思っていたのに、今はなぜか納得いかない。

 社会人になると、そんな風に思う時が来るのかもしれない。

 私にはもう同期はいなくなってしまったのが、妙に悔しくなった。

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ホームタウン


2009年11月26日 読了
 ビルの最上階の顧客管理部<特別室>に勤務する主人公。
たったひとりの身内である妹から結婚するという手紙を受け取る。
しかし彼女は突然、携帯も財布も持たず、鍵すら置いて姿を消した。。。

 妹とその婚約者を探し、いろんな人に助けられながら掴む真実。

 この人の本は設定がとてもおもしろい。
苦しい過去もなぜか柔らかに語られているため、とげとげしい後味がまるでない。

 今まで読んだ中では割とあっさりとした感じを受けたが、ここに自分の居場所を持ちたいと思って頑張っている人の背中をじっと見つめているような気分になった。

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秋の大三角


2009年11月23日 読了
 中高一環の女子校に通う中2の女の子。電車の中で痴漢から助けてくれた上級生に憧れて、ただただ目で追う毎日。

 少女向け小説のテーマのような設定。あこがれの上級生の恋人が、「本当は生きていないんじゃないか」という疑問を抱く。

 石田衣良氏が選考した作品。彼の作風にも似た、軽やかな語り口。そのため、後に残る余韻は少ない。

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秋の大三角 [ 吉野万理子 ]
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茶室殺人伝説


2009年11月22日 読了
 1986年に出版された作品の初文庫化。

 次期家元の婚約発表の席で起こる事件?事故?
茶道と武士の心を持つ流派の、戦国の時代から続く思いが起こす一つの時代の終わり。

 茶道の描写が、堅苦しくなく、しつこくなく、うんざりさせない。お手前を少しも見た事がないという人は少ないだろうから、全く想像できないということはないと思うし。

 一旦解決したと思われたが、その時点でまだページは1/3が残っていた。残る疑問をこちらにも確かに抱かせ、推理させる。
 
 脇役も心に残り、爽やかな後味。

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DZ(ディーズィー)


2009年11月08日 読了
 横溝正史賞大賞受賞作

 ヒトからの進化。新しい生物。

 ベトナム難民船から救出された女性が生んだ子供たちの行く末を描く。
 
 テーマに興味をひかれたし、しっかりとした文体のため集中して読める。
 でもせっかく興味深い内容で人物もおもしろいのに、専門的な説明のほうに重点を置いている気がした。そのため万人受けはしないのでは?
 もう少し人物にも重みがほしかった。

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任侠学園


2009年11月03日 読了
 所帯は小さいが、顔の広いオヤジがいるヤクザ。
 そのヤクザが学校の運営をする羽目になった。

 問題を探し、一つ一つ解決していく。
ありがちなテーマだし簡単にコトは進むけど、その何事もするりとかわすような語り口が面白くて止まらない。

 あっという間に読み終えられる。本のボリュームの割には気楽に手に取れる内容。

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アイスクリン強し


2009年10月29日 読了
 時は明治。江戸から東京へと名を変えた街で、若者たちが駆ける。

 時代は変わっても作者の世界は全く変わらず。
 若者と、幼馴染と、小さな問題と。この設定しかないと言っていい。

 簡単に読め、あっけらかんとした文章。おもしろいけど、取り立てて注目することもない。
 
 結末が中途半端な部分があったりしてちょっと残念。

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アイスクリン強し [ 畠中 恵 ]
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星間商事株式会社社史編纂室


2009年10月15日 読了
 会社でこっそり同人誌をコピーする腐女子。そのため出世には興味なし。会社では窓際部署。そこで、昼行燈な同僚達と社史を作成する。

 作者の趣味が思いっきり出ているような感じ。
主人公より周りの人物のほうが光っている。そのため周りで何が起こっているのか気になってしょうがない。

 それでも主人公の心意気は素直に伝わってきて、素材を詰めすぎた感があるのにさらっと読める。

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星間商事株式会社社史編纂室 [ 三浦しをん ]
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TOKAGE 特殊遊撃捜査隊


2009年10月14日 読了
 身代金・10億円。大手銀行の行員3名が誘拐された。
特殊捜査係の「トカゲ」と呼ばれるバイク隊の上野の目から語られる企業誘拐。

 このボリュームなのでかなり重みのあるものだと思って読み始めると、案外するりと進む。
 彼の作品は読みやすく、結論も途中で察しがつくものが多いが、プロフェッショナルの仕事が魅力的に描かれているものばかりである。

 何かに自信を持っている人間の強さが要所要所に浮き出てきて、軽いタッチの中にしっかりと余韻を残すので気持ちがいい。

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密室の鎮魂歌


2009年10月12日 読了
 第14回鮎川哲也賞受賞

 社会的地位のある男の失踪、いくつもの密室殺人、そしてある画家の真実を含む絵。

 ミステリとして充分なアイテムが的確に配置されていておもしろい。狂気を孕んだ女の不気味さや、達観した男の眼差しが目に浮かぶ。

 でも、最後の謎解きの場面で起こる乱闘はなにやら違和感。
まるで、ミステリの最後には必ず必要であると思い込んで無理やり入れたよう。むしろ真之介が最後に出てこなかったことのほうがおかしい気がする。

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密室の鎮魂歌(レクイエム) [ 岸田るり子 ]
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