空へ向かう花


2010年11月11日 読了
 知らない女の子を殺してしまった。事故だったけど。たまたま僕がそこにいただけ。でも、僕が死んだらあの子にあやまれるかな。

 ビルの屋上で飛び降りようとした少年を、とっさに止めた少女がいた。
 二人の出会いは、これは運命??

 「子供は守らなければならない」作者は必ずそれを作品に示す。
詳しくは語られない事件を根として、穏やかに穏やかに進む物語。

 どうしようもないけれど、絶対に失望はしない物語。

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あぽやん


2010年11月07日 読了
 旅行会社の企画課にいた遠藤は、閑職といわれる成田空港支所に飛ばされてきた。出世コースから外れたと思ってむくれる遠藤。

 空港の仕事、本社との連携、カウンターの女の子たち。トラブルごとにわかってくること。

 大きな事件はないから、突飛だったり奇抜だったりする解決法も出てこないけど、日々の仕事ってこんなんだよなーって思ってうんざりできるくらいに面白い。

 そして「あぽやん」・・・。

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残される者たちへ


2010年11月03日 読了
 ある日届いた同窓会の通知。
なぜか行く気になって向かった主人公・準一は、かつて親友だった押田のことをまったく覚えていなかった。

 記憶からなくなっている親友、母親の記憶を<思い出す>少女、その少女を治療する女性。

 すべてに共通するのは、寂れて人がいなくなりつつある団地。

 人間とは違う<彼ら>の気配がする、記憶がある、思いに気づく。
 気味の悪さが徐々に優しさへと変わっていくが、映画にありそうな設定。

 懐かしい思い出はどこかが変化しているかもしれないという曖昧な不安をストーリーにしたらこんな感じ?

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まほろ駅前番外地


2010年10月31日 読了
 便利屋の二人。年をとるとなにかしら闇や傷を持ち、時々それらを思い出しながらも目の前のことを頑張っている。

 淡々と生きているように見える二人がしている、便利屋という仕事。前作を読んだのはいつなのか覚えていないのに、二人のことは割といつも気になっていた。 そんな続編には、やはり退屈な仕事の裏にいろんなものが見える。

 雨の日に読むにはぴったり。

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ファイアー・フライ


2010年10月27日 読了
 ある大企業の研究員・木島が、社長と間違われて誘拐される。
連れて行かれた山中の古い家の中で芽生える一体感。

 事件であり、重い罪なのだが、どこか浮遊感が漂う。
中頃で出てくる誘拐犯と木島との一時の癒し「ファイアー・フライ」が、さらに幻想的な余韻を残す。

 最終的に行きつくところは妥当といえるのかもしれないが、すっきりと気持ちの整理ができたのは主人公の木島だけ。
読んでいるこちらはどこか納得いかなかった。
 読者が男性ならまた違った感想があるのかもしれない。

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幕末銃姫伝―京の風 会津の花


2010年10月25日 読了
 武士の家に生まれながらも、大砲や銃を習い、新しい世の足音を聞いた一人の娘。
 少しも女らしくない自分にうんざりしながら、なぜ女の道は一つしかないのかと疑問に思う八重が、幕末の会津藩で銃を持つ姿を描く。

 西洋史に深く、フランスやナポレオンの話を多く出してきた作者が、日本の歴史を?
 不思議な気持ちで手に取ったはいいものの、人物の活かし方がちょっと物足りなく感じる。まだ馴染んでいない?

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小鳥を愛した容疑者


2010年10月20日 読了
 銃撃を受け、捜査の最前線から離れた須藤。リハビリを兼ねて配属されたのが警視庁総務部総務課動植物管理係。容疑者のペットを保護する部署なのだが。

 動物マニアの薄巡査と共に現場へ向かい、ペットの世話をしつつ、謎を解き明かす。
 古くからある名探偵モノと同じように、ヒラメキがすべての鍵となる。ある意味動物が主役。結末は想像の通り。

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特命


2010年10月16日 読了
 洞爺湖サミット目前、成田空港において謎の言葉を残した男が死んだ。
 その謎を探るべく一人のキャリア・伊賀に特命が下る。

 ただの密入国だと思われていたが、やがてそれは日本政府の秘められた過去を暴く鍵となる。

 重く暗い流れで進み、じわじわと正気を失わせるような闇を描く。途中で飽きがくる。

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非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク8


2010年10月13日 読了
 シリーズももう8作目。流れはもう水戸黄門並みで、どうしたってわかってしまう結末だけど読んでしまう。

 今まで見えなかった底辺で働く人、シングルマザーになるしかなかった人。でもそいつらが「高い階級」と呼ぶヒトたちにも必ず苦悩はあって。

 今回は跡を引くほどの話はなかったけれど、まだこのまま続くんだろうなと思う。

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非正規レジスタンス 池袋ウエストゲートパーク8 [ 石田 衣良 ]
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風が吹けば


2010年10月10日 読了
 高二の夏、親が勝手に決めたバイト先にいやいや向かった健太。
ゆる~い感じでなんとなく生きていこうと思っていた健太が、突然の風に巻き込まれてタイムスリップしてしまう。

 落ちたのは84年。バイト先の和希さんの若いころ。
聖子ちゃんカットとくるぶしまでのスカートと特攻服とバイク。
「つっぱり」たちとの交流。

 『インディゴの夜』の強さはそのままだけど、展開や結末まで、すべてがベタな84年スタイルに沿っている感じがおもしろい。

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風が吹けば [ 加藤 実秋 ]
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