2014年04月24日 読了
町名主の跡取り・麻之助は、妻と子供をいっぺんに亡くし、しばらくは魂が抜けたようだった。
そんな麻之助を心配してか、おかしな揉め事がやってきた。
夜眠れないからと薬を買ったら、えんえん2日も眠り続けているという。
悪友二人を巻き込んで、麻之助は揉め事のからくりを解く。
いつしか気鬱の風は時が薬となって癒えていくだろう。
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読書と編み物の記録
2014年本文作成
2014年04月24日 読了
町名主の跡取り・麻之助は、妻と子供をいっぺんに亡くし、しばらくは魂が抜けたようだった。
そんな麻之助を心配してか、おかしな揉め事がやってきた。
夜眠れないからと薬を買ったら、えんえん2日も眠り続けているという。
悪友二人を巻き込んで、麻之助は揉め事のからくりを解く。
いつしか気鬱の風は時が薬となって癒えていくだろう。
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2014年04月19日 読了
シィフルの地では、21歳までの7の年に<試しの日>という儀式がある。
その日には、その身が獣に変わってしまうことがあり、まれに身体が獣に変わっても魂は人のままの「離者」となることさえある。
兄と姉、さらには婚約者まで獣になってしまった主人公のニィマールは、なぜそんなことが起こるのか、人に戻ることはできないのか、世の理を知るために旅に出る。
小路幸也のファンタジーとしては、ここまでの別世界は初めてな気がする。
自分たちの住む町以外は存在しないと思っていた若者が、外の世界を知る度に驚き、智慧を増やして成長していく。
旅はまだ始まったばかり。
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2014年04月18日 読了
賽子職人の音吉は、己が作った悪采でなわばりを広げようとする任侠の親分を打ち負かした。
ところが、その恨みから二人の子供の面倒を見る羽目になるが。。
博打には必要不可欠なサイコロ。
それに細工をし、壺振の思うがままに扱えるものを作り出す。
職人としての心意気と才能が、時に身を亡ぼし、時に身を守る。
特に後半は勢いがあり、博打の見せ場では思わず息を止めるほど。
そのカラクリが意表をついていて面白かった。実物があるなら是非見てみたい。
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2014年04月17日 読了
学問、特に天文が好きな兄・吉井数馬は、妹の奈緒と江戸の神田で手習い所「吉井堂」を開いている。
「神田川端の武家屋敷に幽霊が出る」
そんな噂が出始めた。奇妙なことが大好きな数馬は、いつもなら走って見に行くくらいなのに、なぜか今度はさっぱり興味を持たない。
客に見せたからくり人形や、奉公先の御殿から消えた娘、あぶり出しの和歌。
不思議なことから膨らむ日常と、仲の良い兄妹の微笑ましい言い争いや暮らしぶりがとても心地よい。
過去に縛られることなく生きる二人の強さが気持ちのいい読後感を残す。
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2014年04月14日 読了
片付けられないのは、モノだけじゃない。
物があふれるのには、理由がある。社内不倫だったり、妻を亡くしたりして、心に何かを抱えている人。
その人たちに片付ける方法を示しながら、進む道も示すことを仕事とする女性が主人公。
よくあるテーマではあるけど、何を考えているのかわからない態度から興味を持たせ、心を開かせていって考えを変えさせる。
思い悩んでいる時は周りが見えにくいもの。
もしも自分だったら、どんなふうに変えてくれるだろうと興味をそそられる。
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2014年04月13日 読了
北の高地に住むフィリエルは、女王生誕祝祭日の舞踏会に出るのを楽しみにしていた。そしてその日、変わり者の父から渡された首飾りをつけて舞踏会に参加した彼女は、そこで自分の出征の秘密を知ることになる。
タイトルを見てずっと気になっていたのを図書館で見つけたので迷わず借りてきた。
ファンタジーだけど誰もが知る童話も登場したり、リアルな世界と少し交わるためにその一瞬だけ現実に戻されて興醒めするが、1巻では物語が動き始めるための謎がたくさん散らばり始め、続きが気になってくる。
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2014年04月12日 読了
真夜中にだけ営業するパン屋さんには、いつも飄々と笑っているオーナーの暮林と、口が悪いが腕はいいパン職人の弘基がいた。
そこへ、母親に放り出された女子高生の希実が居候することになり、夜な夜なパンの香りに引き寄せられておかしな客が集まりだす。
ラノベにしては面白かった。
読むだけで苦しくなるようなネグレクトや家庭内暴力も、おいしいパンと共に暖かく出口が見えてくる。
希実のクラスメイトの話は中途半端で流れを止めるが、こだまの父だという男が、最低な人間としてわかりやすく登場するので、他のどうしようもない人たちが愛しく思える。
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2014年04月10日 読了
夏の間、行天の子供を預かって欲しいという依頼が来た。
多田はもちろん断るが、相手に押されて結局預かる羽目に。
そして、バスが間引き運転していると思い込んでいる年寄りや、駅裏で娼婦をしているルルとハイシー、迷惑で時々頼もしい星なんかも入り乱れ、いつもの多田便利軒の様子がたっぷり見られる。
ページ数が多いわりにあっという間に読んでしまう。
日常にちょっと迷惑が増えた感じのいつもの多田便利軒だけど、つい夢中になるほど色んな事が起こり、ハラハラもさせられた。
またそのうち新しい多田便利軒が読めるだろう。
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2014年04月04日 読了
江戸。でも江戸ではなく、近未来の江戸。
日本から独立した「江戸」では、生活や習慣も昔のままで、もちろん電気もなく現代科学や医学もない。
そんな江戸へ激しい競争率をすり抜けて入国した辰次郎は、身請け先の長崎奉行馬込播磨守・通称ゴメスから、致死率100%の流行病の正体を突き止めることを命じられた。
不思議な設定で惹きつけられ、惑わされた。
江戸の頃の理を忠実に守りながらも現代からは離れられない。
ゴメスのインパクトが強すぎて癖になりそう。
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2014年04月03日 読了
さっぱり仕事が入らない貧乏探偵の法間謙一。
仲間からはホウカン(幇間)と呼ばれる彼は名前の通り、太鼓持ちで渡り歩いてきた。
おべっか、お世辞を口を挟む間もないほどしゃべりつくし、その口で人をいい気分にさせ心を許させ取り入っててしまう。
ハードボイルドとはまた違う探偵。
聞く方も言う方も疲れ切るおべっかの連続で、ふと漏らした言葉や気を許した途端にしっぽをつかむ。面白いけど、読む方も疲れた。
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