姫の竹、月の草―吉井堂謎解き暦


2014年04月17日 読了
学問、特に天文が好きな兄・吉井数馬は、妹の奈緒と江戸の神田で手習い所「吉井堂」を開いている。
 「神田川端の武家屋敷に幽霊が出る」
そんな噂が出始めた。奇妙なことが大好きな数馬は、いつもなら走って見に行くくらいなのに、なぜか今度はさっぱり興味を持たない。

 客に見せたからくり人形や、奉公先の御殿から消えた娘、あぶり出しの和歌。
不思議なことから膨らむ日常と、仲の良い兄妹の微笑ましい言い争いや暮らしぶりがとても心地よい。
過去に縛られることなく生きる二人の強さが気持ちのいい読後感を残す。

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