悪霊を押し付けられた丸海の人々が少しづつためている不満が爆発する。
涸滝の屋敷に幽閉された加賀殿にむけられる刺客や、怖いもの見たさで覗きに行く子供、その度に振り回される役人たち。
毎日の仕事にだけ向かっていたほうにも、大人たちがあたふたするたびに叱られたりしていた。
しかし、ある出来事がきっかけで加賀様から文字を習うことになったほう。
加賀様の教えの通り、数を数え、漢字を覚え、そして誰もが気づかなかった秘策の仕掛けに気づいてしまう。
今度は牢に入れられてしまったりするほう。
だが優しい人たちに助けられ、学ぶ楽しみも知る。
どうやっても厄介者である加賀様の扱いの落としどころをさぐる者と、それを悟る加賀様の最後はとても悲しいものだし、たくさんの人が死んだけど、ほうの力強さが勝ったという事だろう。
タイトルだけでは全くそそらないと思った本だけど、思いのほか面白かった。
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