2012年12月04日 読了
東京の会社を辞めた里男は、従兄弟がやっている「海鳴屋」という小さな旅館で雇ってもらえることになり、北陸の小さな町へやってきた。
そこで働く条件として強引に入団させられたのは、カリブの楽器を奏でる集団。
スティール・パン・オーケストラ。
その音色は聞いたことがある。
ドラム缶を叩いて音階を奏でる。澄んだ音は「20世紀最後にして最大のアコースティック楽器発明」と言われているそう。
楽団は素人集団の趣味程度だと聞いていたのに、集まる人々は個性的で陰があり、彼らとかかわるうちに里男はいろんな思いを巡らす。
淡々と、人々の様子とかかわりを描き、変えていく。
単調な分、穏やかだけど飽きる。
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