亀と観覧車


ホテルの清掃員として働く涼子は16歳。
夜間高校に通い、怪我で失業中の父と、鬱病と言いながら毎日パチンコに通う母がいて、生活保護を受けている。
ある日、クラスメイトに誘われて「クラブ」へと出かけた涼子は、小説家だという初老の男性・南馬に出会う。

 南馬との出会いが、涼子の生活を変えていく。
父と母にうんざりしながらも放っておけず、こまごまと面倒を見る涼子の世界の狭さに驚き、ただのスケベ爺だと疑っていた南馬への見方も変わる。
面白がって受け入れてくれた南馬が逝き、両親の時は冷静だった涼子がどうするのか不安に思うところで終わるため、想像が膨らむばかり。