泥棒は選べない


 泥棒のバーニイ・ローデンバーは、錠前破りが得意。
欲張らずに年に3,4回ほどの仕事で満足しているはずが、うまい話に釣られて入った家で、警察と出くわした。
さらに奥の部屋で死体も見つかり、やってもいないのに殺人犯として追われることになってしまう。
再びプロの泥棒に戻るためには、自分の手で真犯人を見つけるしかない。
バーニィは、古い知り合いが留守をしていることを思い出し、そいつの部屋に隠れながら、泥棒なのに探偵をする羽目になっていた。

 しっかり者だったはずが、うっかり欲に負けたせいで背負ってしまう殺人犯という汚名。
潜伏先に選んだ部屋で出くわした女性ともうっかり仲良くなってしまったり、泥棒のわりに人が良い。
そして職業柄なのか観察眼もすぐれていて、小さな違和感にもよく気づくので探偵にはピッタリだった。
他の登場人物とのやり取りも軽快で楽しいので読みやすく、泥棒だが憎めない。