2015年05月24日 読了
京の絵師である、ふたりのごんたくれの生涯。
当代一の誉れ高い絵師・円山応挙の弟子・吉村胡雪となった彦太郎。
その師匠応挙の絵を『絵とは言わん』と否定した深山箏白こと豊蔵。
二人はことごとく対立し、悪口を言い合い、めったに顔も合わせないが、相手の絵は認めている。
素直になれない二人のごんたくれの生き様が、師匠が逝き、仲間が逝き、やがて一人になるところまで描かれている。
始めは二人に興味を引かなかったが、すぐに所心読み返したくなるほど一文字も逃したくない思いが湧き、最後はどうなるのかとわくわくして止められなかった。
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