御一新に伴い、全国の寺院や城が壊され、美術品も海外に流出していく。
そんな日本をさみしく思う一人の男が、留学中に観た大英博物館のようなミュージアムを作りたいと願い、叶えた町田久成の物語。
小説というよりエッセイのような雰囲気の一人語り。
強い願いをただ持ち続け、様々なことをあきらめ、譲歩しながらも夢をかなえた久成の心情が、長年持ち続けた情熱を感じさせない静かさで描かれている。そのため、時々退屈に感じる。
まだ日本にはなかった博物館という概念を形にした久成をの人となりには興味がわいた。
そのあたりはもう少し描いてほしかったと思う。
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