2014年09月03日 読了
稀代の名筆家と謳われる、地位も権力もあるが極悪非道で有名な陳遷。
若い女の手紙にのみ興味を持つ男。
仙骨を持ち、不思議な力を持つ異能の女。
一つの書を巡り、いくつもの運命が動き出すファンタジー。
あちこち飛び回る伏線と視点。
時に時間軸さえも狂いそうな物語だが、すべて綺麗に収まる。
でもなぜか満足感はない。
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読書と手芸の記録
2014年09月03日 読了
稀代の名筆家と謳われる、地位も権力もあるが極悪非道で有名な陳遷。
若い女の手紙にのみ興味を持つ男。
仙骨を持ち、不思議な力を持つ異能の女。
一つの書を巡り、いくつもの運命が動き出すファンタジー。
あちこち飛び回る伏線と視点。
時に時間軸さえも狂いそうな物語だが、すべて綺麗に収まる。
でもなぜか満足感はない。
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2014年08月29日 読了
煮売り屋“おかめ”を営むこはるは、子供をあやすのが得意な事を商売にしようと思いつく。
1年前に夫を亡くし、自分の子供を世話するついでに他の子供も一緒にと思い立ったのだが、夫婦喧嘩や疳の虫の強い子の相談を受けているうち、放っておけない事や見過ごせないことに首を突っ込むことになる。
辛い真実を知ることにもなるため最後は悲しいものも多いが、解決の謎ときは曖昧なものが多く、いくらでも考えられる想像のところも多い。
そのため、人の世の悲しみは十分伝わるがこはるの説明では納得できない。
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2014年08月27日 読了
家譜編纂と十年後の切腹を命じられて幽閉中の秋谷の下に、城内で刃傷沙汰に及んでお咎めを受けることになった檀野庄三郎が遣わされた。
そしてそれは、いざ切腹の時に秋谷が逃げぬよう見張ること、幽閉のきっかけとなった事件の真相を探ることを命じられてのことだった。
己に正直に、信条を揺るがせず、人を信じて生きる秋谷の生き様は最後まで変わらない。武士としての生き様だけとは言い切れない潔さと美しさがある。
予想を超えた気持ちのいい読後感。
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2014年08月25日 読了
茶席で突然、客の一人が毒で死んだ。
しかし何の毒かもわからず、その方法もわからない。
調査を始めた編集者の西田は、容疑者となった美女に心惹かれつつ謎を追う。
今度は千利休を持ち出して歴史考察を行っているが、毒草師である御名形史紋に相談を持ちかけた西田の葛藤と御名形の取り澄ました言動、さらには話の流れや結末の構造まで、そっくり前作と同じ作り。
シリーズというよりバージョン違い。
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2014年08月22日 読了
空港で働く「あぽやん」たちに危機!
親会社の危機に伴い人員削減が行われ、成田空港所も閉鎖されることになった。
そのための準備に追われる遠藤達。
やがて遠藤は、空港へ足が向かなくなる。
このところの航空業界をなぞった筋書で解り易い。
でも短編ゆえに勢いがなく、物足りなかった。
遠藤の勝負のかけ方も、後先考えない勝負のようでカッコよく見えるはずもない。
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2014年08月20日 読了
「知は金なり」というスローガンを持つエリート大学。
東京湾に浮かぶ孤島は、島全体が一つの大学だった。
独特で奇妙な決まりが多いその島では、ほぼ月に一度の割合で自殺者が出ていた。
ある学生の自殺死体が消えたという知らせを受けて島に入った二人の刑事と、大学側を代表として対応する芳村。
ありふれた事件として処理できるはずだったが。
極端な決まり事が多い大学で、その制度にどこか違和感を感じていた学生たちの考えとは。
近未来の設定だけど、実際今でも起こりそうな話ですんなりと入っていける。
『知』の戦い。
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2014年08月16日 読了
名探偵になることが夢だという少女と出会った和也は、学校で起こる噂や不思議な出来事の謎を解くために無謀な行動をとる彼女に振り回される。
そして和也のほうは、卒業までに人を殺すと決めていた。
おかしな二人が出会い、おかしな行動をする。
突拍子もない行動力を発揮する少女にほだされる少年の構図はうんざりするほどよくあるし、行き過ぎて大人に絡まれたあげく見逃してもらうという都合のいい展開。
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2014年08月14日 読了
鬼田山家の先祖が撲殺してしまった一つ目の山羊の呪いか、この家では代々、一つ目の子供を死産する。
「一つ目の鬼を見た」と言い残して離れに閉じこもり殺された家人の謎を追う雑誌の編集者・西田は、毒草師を名乗る御名形という無愛想な男にヒントをもらう。
「伊勢物語」になぞらえて鬼田山家の歴史を探る御名形は、見た目通りの変人だけど妙に親切で面白いキャラクター。
タイトルや表紙からは禍々しいイメージを受けるが、御名形は薬学の知識を使って毒殺を防いだり謎を解いたりする探偵役で、読後感は思いのほか良かった。
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2014年08月12日 読了
弁護士資格は持っているものの、平凡で気も弱く、就職先も決まらなかったために伯父の喫茶店の一角に事務所を構えた兄・ノリ。
イケメンで背も高く頭もいい、しかしシャイなうえに礼儀がなってない甘えん坊で名言オタクの弟・リツ。
二人してご近所の相談ごとを引き受けるが、弁護士というより便利屋な日々。
あらゆるジャンルの名言が出てくるが、確信をついているわけではなく、ただ今の状況を表現しているだけ。
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2014年08月10日 読了
日本製の人形は、もう誰もいないのに自ら耐久試験を繰り返す。
屋上から飛び降りる彼女たち人形はには、意志はあるのか。
人形が落ちてくる場所で暮らす子供は、その中の1体を捕まえようとする。
人形を巡り世界の様々な場所で起こる出来事を集めた短編集。
政治や宗教、戦争や言語の問題に詰め寄る作品だと書かれていたが、曖昧すぎてよくわからない。
考えながら読むための本かもしれないが、興味がわかない。。
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