2014年12月13日 読了
豚足、ハム、カツなど、肉の部位をネタにした短編集。
始まりはどれも不穏だったり不満だったりと負の雰囲気から始まるため、あまりいい気分にはならないが、最後でコロリと入れ替わる。
その変わり身の早さは楽しかった。
しかしそれがあまりにも短い間なので、後味を変えるほどには至らず、読後感は負のままなところがある。
この人の他の作品にはない毒があった。
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読書と手芸の記録
2014年12月13日 読了
豚足、ハム、カツなど、肉の部位をネタにした短編集。
始まりはどれも不穏だったり不満だったりと負の雰囲気から始まるため、あまりいい気分にはならないが、最後でコロリと入れ替わる。
その変わり身の早さは楽しかった。
しかしそれがあまりにも短い間なので、後味を変えるほどには至らず、読後感は負のままなところがある。
この人の他の作品にはない毒があった。
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2014年12月11日 読了
脱法ドラッグ、ノマドワーカなど、どこかで聞いたことのある事件がきっかけとなってマコトたちが動く。
タカシの氷の結晶のような冷酷さも健在で、懐かしくてうれしくなった。
でも今までなら、タカシたちのちょっとやりすぎなお仕置きもある意味解決になっていいと思っていたけど、タイトルになっているヘイトスピーチの話は後味が悪かった。
季節のめぐりを感じられる終わりで結末は良かったが、ネタになるものが不愉快な事件だと感情も引きずられる。
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2014年12月09日 読了
ユーシスが竜退治に向かった後、女王候補のアデイルは身分を隠して東方の国トルバートへ潜入する。
政治の罠へと飛び込んでいったアデイルは、ユーシスとは違った戦いに向かい、今までなら決して出会わないような出逢いと、命を懸けた取引をする。
フィリエルがルーンを探して旅をしている間の出来事。
この旅で彼女は大きな決意をし、馬への向かい方も覚え、そしていい出会いもあった。
女王候補としては大きな成長だろう。
特別短編の猫の話は微笑ましく、こちらはユーシスに決心を促した。
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2014年12月05日 読了
北千住でカフェを営む主人公の弓島大。
恋人が死に、犯人と間違われて誤認逮捕された事件から9年後、その時私を救ってくれた恩人で、常連客でもある三栖警部が失踪する。
その頃、過去の事件にかかわっていた女子大生のあゆみの友人もまた、姿を消す。
前作は読んだけれど覚えていなかった。
辛い過去を持っている登場人物たちだが、それゆえ信頼は大きい。
強い思いを持っていながらも穏やかに語られるために、大きな事件でもどこか救いがある。
池永 陽の「珈琲屋の人々」と同じ感じ。でもあちらの方が印象に残る。
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2014年12月04日 読了
旅の仲間が一行を離れ、突然また二人の旅が始まる。
国境を守る街で、王弁は吐蕃の医師ドルマと再会をするが、そこでは今まさに世代交代の謀略が渦巻いていた。
巻き込まれた王弁と僕僕。城の王を救うには、王弁と僕僕が深く交わることでできる仙丹を作るしかなかった。
二人の長い旅が、大きな岐路に立つ。
仲間が去り、二人の関係が深まるはずの時、王弁は怖気づいてしまう。
ここへきて積極的なのは僕僕の方になり、なにやら今まで通りにはいかない二人。
そこまで近づくことを許す僕僕は何かを焦っているようで、何かが変わる予感。
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2014年11月28日 読了
法医昆虫学者の赤堀涼子が荒川河口の中州で見つけた死体は、絞殺後に遺棄されたものと思われた。
しかしその死体には不可解な点がいくつかあり、赤堀は解剖所見のいくつかに齟齬を見つける。
事件か事故か、さらには自殺なのかもわからないまま無駄足を踏む刑事たち。
そこへ赤堀は全く違った視点から意見を述べる。
今回は今まで程の気持ち悪さはない。でも虫の種類はたくさん出てくる。
今までの、一つの虫を注意深く細部まで観察したものも面白かったが、虫への興味を海にまで広げてすべてが自然だと言わんばかりの本作も、虫食が話題の今にはタイムリーで興味深かった。
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2014年11月26日 読了
『ワーキング・ホリデー』のスピンオフ短編集。
しっかり者の小学生・進が父親に会いに行くまでの話が、いろいろな人の目線であちこちの時間を切り取って書かれている。
ホストクラブの経営者であるジャスミンが拾ってきたヤマトの過去と共に、その周りの人々の思いも綴られ、合間合間に飛び出してくる言葉たちが鋭い。
優しい語り口でふわりと出てくる言葉なのに、もやもやした思いをグサリと言い当てていて、もうそれ以外の表現はないんじゃないかと思えてくる。
相変わらず悪い人は出てこないし、優しく都合よく終わるところもあるけど、それ以上に納得できるところが多い。
映画も見てみたくなった。
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2014年11月26日 読了
トラブルメーカーの友人・翡翠から、数日のあいだ身を隠したいと言われてかくまうジョウ。
しかし翡翠は姿を消し、あちこちから命を狙われることになる。
ジョウは、時に命を賭けながら身勝手な友人を助け出そうと奔走する。
ハードボイルド・ミステリー。
17歳の家出人ジョウが、翡翠から渡されたデータを取引材料に大人と渡り合うのだが、人を信用できず、頼ることも利用することもできずに一人で戦う姿は「女性刑事クロハ」シリーズと同じ。でも、子供っぽさが目につくワンパターンで満足感はない。
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2014年11月20日 読了
荒れ寺に住み着き、精進料理が嫌いな大食らいで女好き、寝言まがいのいいかげんな経を読む破戒僧の不覚。
その不覚がインチキ乞食坊主に問答をしかけられたり、ひどくやつれた女から子供を預かり里へ送り届けたり、憑き物のある子供を助けたりと、坊主らしいことはどこをとっても見当たらない見た目をしているくせにやけに情に厚い。
いたらいたで困るくせに、いないと寂しいと言われる不覚がとても頼もしい。
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2014年11月19日 読了
フランスで講師をしている黒猫は、恩師であるラテスト教授から「思想継承のために、ある塔を調査してほしい」と依頼される。
それは設計・建築者が亡くなった後も成長を続けるという〈遡行する塔〉。
一方、学会発表のためイギリスへやってきた「付き人」。
滞在中、突然映画への出演を依頼される。
遠く離れていた二人が、イタリアで出会う。
今回は黒猫と付き人の思想と美学談義の割合が少ない。しかしその分ミステリーの部分が入り込み、15年も続く約束がはたされる瞬間に立ち会うことになる二人。
そして、二人の関係や思いがこれまで以上に語られる。
表紙の絵が、今の二人の関係を象徴しているようでもどかしくなる。
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