2012年03月25日 読了
今度は就業時間外に、「市民サーヴィス課臨時出張所」の担当職員に持ち込まれる相談事。
前回のように看板が出ていない時間帯に受ける相談なので、いつもの「腕貫」がない。
今回も少しの話を聞いただけでさらりと真実を言い当てる腕貫探偵。美人の女子大生の押しかけ女房まで現れて、二人で美味い店を探しあてる姿は、前作よりも人間味が出てきた。
短編集なので深みはないが、姿を想像させない探偵が新鮮。
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読書と編み物の記録
2012年03月25日 読了
今度は就業時間外に、「市民サーヴィス課臨時出張所」の担当職員に持ち込まれる相談事。
前回のように看板が出ていない時間帯に受ける相談なので、いつもの「腕貫」がない。
今回も少しの話を聞いただけでさらりと真実を言い当てる腕貫探偵。美人の女子大生の押しかけ女房まで現れて、二人で美味い店を探しあてる姿は、前作よりも人間味が出てきた。
短編集なので深みはないが、姿を想像させない探偵が新鮮。
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2012年03月24日 読了
金曜の放課後、自転車でおじさんの元へ急ぐ。
一人愚痴りながらこいでいると、男の子とすれ違う。
その日から毎週金曜日、不思議な逢瀬が始まる。
5つの短編はどれも日常の出来事。
若者の思いが独り言としてつらつらと語られ、読みやすいが愚痴っぽくてうんざりする。
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2012年03月22日 読了
弁護士・御子柴礼司は、ある夜、死体を捨てる。
死体を調べた警察は御子柴の元へやってくるが、彼にはアリバイがあった。でも彼は、少年の頃人を殺している。
「司法試験に人格は関係ない」というセリフが印象的。
しかし、御子柴が少年鑑別所で名前を変え、過去の自分を殺し、司法試験を受け、金をふんだくる弁護士になった理由もいまいち納得できない。被害者にだけ?矯正局職員の稲見には?
これだけの設定があったのにどれも膨らまないのがもったいない。
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2012年03月15日 読了
ウルフプロジェクト。
崩壊しつつある森林に、生態系の頂点に立つオオカミを放つことで、正常な森を取り戻す。
このプロジェクトは、すでに海外では成功例がある。
他国から持ってきて日本で繁殖させ、固有種を生みだそうというのは、トキでは良くてオオカミでは反対が多いのはオオカミの恐ろしいイメージ故か。
このプロジェクトを題材にした小説はいくつか読んだが、どれも暗いのが嫌。個人的には賛成なんだけどなぁ、このプロジェクト。
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2012年03月12日 読了
下半身不随になり、要介護認定をうけた玄太郎おじいちゃん。
足は悪いが口も頭も達者で、不甲斐ない相手には所構わずどなり散らす。その性格のために信望者も多いが敵も多い。
昔ながらの頑固老人といった感じで、無礼や無作法は余所者であってもかまわず叱る。
そんなおじいちゃんが、警察はあてにならんとばかりに事件に首を突っ込む様子は、表紙の絵そのものでほほえましい。
是非続きが読みたい。
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2012年03月10日 読了
信号無視をした幼稚園バスのせいで、事故が起こる。しかしそのバスを観たのは大勢の目撃者の中でたった数人だった。
幼稚園バスが死者を『連れて』くる。
幼くして死んだ子供たちを家まで送り、生きている人の過去を悔む気持ちを増幅していく。
『幽』怪談文学賞長編部門大賞受賞作。
ホントにこれが受賞??
幽霊が出てくればいいってだけか?
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2012年03月08日 読了
主人公の勇吾は、「ラブホリック」というデリヘルの店長。
インドでのヨガの修行を終えてふらりとやってきた居候の宗介と、店の女の子たちも織り交ぜ、いろんな謎に立ち向かう。
と言っても大きな事件ではなくて、家出した子だったり自分を見失った男性だったりが相手の、少しの謎。
推理する宗介自信も過去の傷に囚われているが、その宗介の柔らかいコトバが優しい。
人を殺したい。自分を殺したい。怖い言葉が並ぶけど、本当は苦しい。
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2012年03月02日 読了
出版社に勤める主人公の佳孝は、社内の配置転換でローティーン向け雑誌の「ピピン」編集部へ異動になった。
ピンクでキラキラでちっちゃくてたくさんの服や髪飾りや小物達の中で一人、眩暈を覚える。
文芸部門への希望と憧れを捨てきれないまま、中学1年から高校1年までのモデル「ピピモ」達と撮影と編集の日々に浸る。
いい大人の男がそんな雑誌に関わっているなんて友達には言えないし、仕事に胸を張れない。それでも割り切って仕事を進めていくうちに見えてくるもの。
いつもの本屋シリーズより数倍はおもしろかった。
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2012年02月28日 読了
すれ違う数人の男たちが、やがて集うとこになり、一つだけ歌を生む。
とても小路幸也らしい物語。
淡々とした独り言からだんだんと声が重なっていく、ラヴェルの「ボレロ」のよう。
穏やかで暖かくて、ハッピーエンドがうれしい。
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2012年02月27日 読了
グッピーが水槽から逃げ出した。
研究中の”電子機器”を積んだ自衛隊の訓練飛行機が、墜落した。
あれは重要機密のはずで、新聞発表もされていない。なのにアメリカは当然、ロシアや中国までが墜落地点へサメのように集まってくる。そして開発に携わっていた山田が消えた。
グッピーという名の電子機器を追う者は一体どれくらいいるのかと混乱させる。
でも広げた割にはなんだか拍子抜けした結末だった。
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