2009年07月18日 読了
かつてロボット研究の最先端として世に出された「ピィ・シリーズ」。様々な業種の技術に特化され、期待をこめて作られた彼らも、いつしか疎んじられ、今ではひたすら絵を描くのみとなった。
この人の作品は、テーマも設定もおもしろいのだけど、どうしてか読んでいるうちに飽きてしまう。
そのせいで、一つ一つは短いお話なのにもかかわらず、読むのになぜか非常に時間がかかる。
短編集だけどすべてがキチンと繋がっているので飛ばして読むこともできず、最後にはきれいに簡潔している。
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読書と編み物の記録
2009年07月18日 読了
かつてロボット研究の最先端として世に出された「ピィ・シリーズ」。様々な業種の技術に特化され、期待をこめて作られた彼らも、いつしか疎んじられ、今ではひたすら絵を描くのみとなった。
この人の作品は、テーマも設定もおもしろいのだけど、どうしてか読んでいるうちに飽きてしまう。
そのせいで、一つ一つは短いお話なのにもかかわらず、読むのになぜか非常に時間がかかる。
短編集だけどすべてがキチンと繋がっているので飛ばして読むこともできず、最後にはきれいに簡潔している。
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2009年07月12日 読了
絵が抜群にうまいが頭が致命的に悪い。
そんな愚鈍な男を芸大に入れてほしいと頼まれ、大がかりなカンニング作戦を実行する。
完ぺきだと思われていたその作戦が露呈し、いろんなものを奪われた主人公。しかしその作戦自体が起こるべくして起こるよう嵌められたことだった。そして黒幕相手に起こす逆転勝負。
10億をかけたその勝負に仕掛けられた罠。
登場人物や舞台にはそれなりに魅力があるのだが、どうも次へと興味がわかない。
量を増やすためだけに入れたのではないかと思うような部分が多く、最後まで読むために苦労するほど飽きてしまった。
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2009年07月09日 読了
今野敏のデビュー作。
世界最強を謳われたジャズの「上杉京輔トリオ」を突然引退した武田巌男は、新グループを結成し復活を果たす。
この人の本は好きなんだけど、デビュー作だけはなぜか手にしたことがなかった。
ジャズに格闘技を絡ませ、さらにグローバルな視点と宗教的な印象までも含んだ作品。
演奏シーンの表現にはちょっとくどいような気もするが、主人公の心情がわかりやすくていい。
短編集で、叙情小説。
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2009年07月05日 読了
第45回江戸川乱歩賞受賞作。
スキャンダルによって芸能界を引退した元お笑い芸人。
事件後、5年ぶりに訪ねてきた相方がもたらしたすべての過去をひも解く鍵。
デビュー作にしてこれはいい出来。
話のテンポもよく、人物も魅力的で個性がある。
脇役だと思っていた人が重い役割を背負っていたり、じっくりと作りこまれた感じがある。
次も読んでみたい。
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2009年06月28日 読了
イラストを描いている今市子が好きで思わず手に取った1冊。
原作者の本も、もえぎ文庫というのも初めてだったけれど、今市子の持っている妖かしの世界にぴったり。
時は明治の世紀末。天才作家、泉鏡花の担当についてから、あやかしが見えるようになってしまった新人編集者、香月。以来、あやかしを引き寄せ、巻き込まれてしまう。
どうやらシリーズもののようなので、探してみようかしら。
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2009年06月28日 読了
不倫という立場にとまどい、拒絶しながらも追いつめられ、疲れ果てた末に出したYESのメール。
社会での自分の立場に納得いかないままの人生に、隠れた秘密を見つけた女性の恋の物語。
この人の本は大好きだけれど、やっぱり現代物は辛すぎる。主人公の行動にいまいち納得できないまま引きずられて読んでしまう事が多い。
歴史小説で見られる、締めつけるような、追い立てられるような表現には、日が落ちて暗くなったことに気づかないほど夢中になれる要素があるのに、現代物ではそれがないのが残念。
どの主人公も最後は希望を見出しているけれど、女はそうまでしないと道がひらけないのかと不安になってしまう。
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2009年06月23日 読了
植物写真家である主人公が、巨木が動く不思議な現象を追って出かけた地で巻き込まれる事件。
このシリーズは植物写真家の興味の元である植物をネタにしたもので、毎回注目される植物の不思議を次々と紹介していくのでそれなりにおもしろいのだが、どれも中盤が薄い。
事件は動いているし新しい事実も徐々に明らかになってくるのだが、なぜか最初と最後しか思い出せない。
キャラクターの魅力も薄いため、感情移入もしにくかった。
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2009年06月13日 読了
久しぶりの千里眼。
登場するたびにだんだん憎めなくなってくるダビデとの共同作戦の話。相変わらず鮮やかな解決でした。
でも、今までの作品では冒頭に出てきた人や出来事が必ず最後に出てきて、最初と最後が見事に繋がったのだけど、今回はそれが薄かった。そのため、下巻だけでも充分だったんじゃないかという印象。
まだまだ続きそう。ちょっとクドイけど。
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2009年06月11日 読了
今ドラマにもなってる安積班シリーズの短編集。
昔単行本でも読んだことがあるけど、忘れてたわ。
仕事仲間が仲の良い仲間ばかりなんてあり得なくて、ちょっと気に障るところもあるけど信頼はしている、そんなところも描かれている。
この人の警察シリーズは割と好きだけど、安積さんのシリーズは短編が多くて忘れがち。
でもなんだか安心して読める。
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2009年05月31日 読了
新宿の片隅にある酒場、その名も「酒場」。
そこに集う常連と店長の手になぜか転がり込む、100円均一の「とっても不幸な幸運」という名の缶。
その缶をあけると何かが見え、何かが起こる。
缶を開けた人の運命を少しずつ変えていく、短編集。
「しゃばけ」の作者であるがゆえに短編は得意なのだろう。
一つ一つがきれいにまとまり、それぞれの主人公の人生を鮮やかに語りだす。家族のようにそっけなく、信頼し、助けあう人たちの歴史。
ただ、短編であるがゆえに印象は薄く、余韻も少ない。
この人の長編をもっと読みたいな。
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