俗・偽恋愛小説家


2016年08月27日 読了
 自称「偽恋愛小説家」の夢宮宇多と、新米編集者の月子。
夢宮の物語の解釈にいつも驚かされ、感心し、惹かれてきた月子が、幼馴染のお兄ちゃんと再会して求愛されたために揺れ動く。

 わがままな夢宮に振り回されながらも、いつも頭から離れない月子がかわいい。
誰もが知るおとぎ話を、書かれた時代の背景を元に解釈しなおす夢宮の語り口は、黒猫シリーズに重なって、新鮮な驚きがある。
風刺だったり戒めだったりする昔ばなしは、色んな意味を含んでいて、それはきっととても分かりにくい。

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三舟、奔る!


2016年08月25日 読了
 幕末の三舟と呼ばれる男たち。
山岡鉄舟、勝海舟、高橋泥舟の生き様。

 小野鉄太郎(鉄舟)は17歳で父を失い、弟たちと共に兄を慕って江戸へとやってきた。
しかし兄夫婦に父の遺産を取られそうになり、家を出る決意をする。
 武を極め、一途に強くなりたいと望む鉄太郎に、山岡紀一郎(静山)と勝麟太郎(海舟)は様々なものを見せ、力を合わせ、守りたいものを見つけていく。。

 愛しく思うもの、惹かれるもの、とめどなく涌いてくる怒りなど、様々な感情がふんだんに沸き起こり、力溢れる若者たちの様子に、読む方も止まらなかった。

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焦茶色のパステル


2016年08月21日 読了
 江戸川乱歩賞受賞作。デビュー作。
東北の牧場で、競馬評論家・大友隆一とその牧場長が銃殺される。
大友の妻である香苗は、馬の事は全く分からないが、夫の行動に不信を持ち、友人の芙美子と共に事件を調べ始める。

 競馬の事はさっぱりわからないが、関心がなくても十分楽しめた。
有名な「クラインの壺」よりもこちらのほうがおもしろい。
王道のミステリーといった感じで、遺伝子の仕組みを思い出し、ちょっとした知識欲も刺激される。

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スパイは楽園に戯れる


2016年08月10日 読了
 情報分析員の葉山隆は、ある男の情報を調査を始める。
その男は、ある国の指導者の息子だという噂。そしてその彼が亡命を希望しているという噂。

 調査を進め、真実に近づいていくほどに、有望な政治家の人生が削られ、崩されていくことになった。。
情報が何よりの宝となる人たちが、伝説となった人物の残した遺産を探り出す。スパイたちの仕事。
 最後は悲しく、暖かく、でもうすら寒い何かにまとわりつかれる。

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起き姫 口入れ屋のおんな


2016年08月05日 読了
 浮気のあげく子まで作った夫とどうにか縁を切ったおこう。
実家に戻ると兄嫁に身代を根こそぎとられ、もめ事にうんざりしてふと思い出した乳母のところへ向かう。
口入屋をしているという乳母のおとわは病に伏していた。
おこうはその「三春屋」という口入屋に雇ってもらい、おとわの看病をしながら仕事を覚え、やがて2代目となる。

 いきなり身を切るような辛い場面から始まる。
行き場がなくたどり着いた「三春屋」だが、そこでおこうは生きる力を取り戻す。
口入屋にやってくる色んな客やご近所さんが個性豊かで、幸せな結末にほっこりする。

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ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編))


2016年08月04日 読了
 年に一度の大イベント、書店大賞授賞式。
成風堂に勤める杏子と多絵は朝から落ち着かなかった。しかしそこへ、書店員・花乃が訪れる。
「書店大賞事務局に届いた不審なFAXの謎を解いてほしい」

 すっかり有名になった例の大賞を舞台にした謎解き。
登場人物があちこちに別れて走り回る話なのでせわしなく、本屋の実情などはもう前にも書かれたものばかり。
興味を引くものはなく、ばたばして終わり。
探偵役の多絵も印象が薄い。
注目するべきところがしっかり出てないので全体的にうっすらした印象。
残るところがない。

砲艦銀鼠号


2016年08月02日 読了
 大戦争であらゆるものが壊れた世界。
元戦闘員の三人が偶然手に入れたオンボロ戦艦「銀鼠号」で海賊稼業を始めた。

 はったりの砲台がついた船を動かし、あちこちの海で呑気に漁船や民間の輸送船を襲いながら漂う3人。
個性的なキャラクターが、奇妙な生き物と出会ったり裏切られたりする。
所々興味をそそる出来事が起こるが、「武装島田倉庫」や「水域」に比べるとインパクトが弱い。

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ノッキンオン・ロックドドア


2016年07月31日 読了
 「不可能」を解く御殿場倒理と、「不可解」を解く片無氷雨。
それ以外の謎はそろってダメな二人が組み、探偵事務所を構えている。
そこに持ち込まれる謎をめぐる、短編小説。

 ただ、きっちり最後まで見届けるということはなく、たいていその場にいる警察官の女刑事の穿地に後始末は任せ、謎を解くだけの二人。
さも周知の事実といった風に出てくる昔話に戸惑うが、二人と穿地、さらに犯罪の知恵を売る美影の4人には、まだ解き明かされていない「密室」があるらしいので、今後に期待。
二人の探偵がいまいち区別しにくいのも難。

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ソロモンの偽証 第I部 事件


2016年07月29日 読了
 クリスマスイブに、一人の少年が死んだ。
自殺と結論づけられたけど、どこからか殺人だという噂が持ち上がる。
さらに、追い打ちをかけるように学校や先生、親が警察官のクラスメイトのところへ告発文が届けられる。
 真実を知る前に次々と起こる事件に、疑惑、不審、裏切りといったあらゆる負の感情がおしよせる。

 「模倣犯」と同じ、ただ長いだけで何もない。

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フェルメールの憂鬱 大絵画展


2016年07月25日 読了
 ベルギーの田舎の教会から突如消えた、一度もホコリを払ったことがないような古くて印象に残らない普通の絵。
その協会の牧師から、絵を取り戻してほしいと依頼される詐欺師。

 日本の宗教団体が手に入れた絵は、いつものマネーロンダリングの駒と少し違っていた。
価値もわからず金に飽かせて集める美術品。それを信者たちから吸い上げた金と共に奪い去ろうとする詐欺師。
最後は鮮やかに根こそぎ盗っていくというものなのだが、どうも腑に落ちないところや違和感が多くあり、美術品や地方の歴史の蘊蓄がやたらと長い。
前作を読まないとわからないことがあるためなのかもしれないけど、とてもつまらなかった。

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