2016年10月14日 読了
優秀だと噂の、まだ若い検事。
出所したばかりの男がその足でまた窃盗で捕まった。
検事の佐方貞人は、所持金があるにも関わらず腕時計を盗んだという男の行動に疑問を持つ。
上の意志に逆らって自白している被疑者を送致するのを渋ったり、傍から見るとおかしな言動をする佐方だが、実はただ一人真実が見えている。
ありふれた設定。それなりに楽しく読んだが、最後の事件は納得いかない。
秘する気持ちを、知っている者が静かに思い浮かべるから真実味が出るのであって、記者がたいして取材もしないで「おそらく当たっている」という想像だけの過去が、出来事だけならまだしも、当事者の表情や心のうちまで語っても、全く説得力がない。
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