水平線のぼくら―天使のジャンパー


2014年07月17日 読了
 奄美大島に暮らす高校二年生の桐隆文は、ある日島のがけから海へジャンプする少女を目撃する。
海を好む妖怪かと思ったほど美しい少女は、隆文の高校への転校生だった。

 その少女の強い意志により、奄美でノルディック・スキー部をするはめに。
 美しくてつかみどころのないその少女によって、いつか隆文たちは大人も巻き込み、奄美の海へとつながるジャンプ台を作り出す。

 夢の中での物語のように、その少女のようにふわふわとした掴みどころのないストーリー。
南国が舞台なのでいまいち乗り切れず。

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西の善き魔女5 闇の左手


2014年07月16日 読了
 王都から離れ、ユニコーンの子供と共に異端の研究者の下で暮らしていたフィリエル。
不可能だと思っていた他国の進行が予想もしないほどの規模で迫っているのに出くわし、捕らえられてしまう。
 ルーンとユーシスに助け出されたフィリエルは、女王に国の危機を知らせるために再び宮殿へと向かう。

 あらゆる危機が一度に起こり、今まで敵同士だったものが団結する。
物事が動き始め、絡まっていた揉め事がするりとほどけて解決していった。
クライマックスと書かれている通りこれで完結するような雰囲気だが、続きがある模様。

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偽恋愛小説家


2014年07月13日 読了
 思わずうっとりと目を閉じるほどのロマンチックな文を書く恋愛小説家・夢宮宇多。
その夢宮先生の担当になった編集者の井上月子は、整った外見とは裏腹な毒を吐く夢宮先生に振り回されていた。

 一つ一つの章が、誰もが知る王子と姫の物語をなぞり、物語に隠されたその時代の風習や常識をもとに本当の意味を探る。
ただ美しい恋愛物語だと思っていたものが、実は残酷な時代の風刺だったりすることはよくあることで、小さい頃はただ憧れていた話にそんな考え方もあるのかと考えさせられる。
文学は時代と共に解釈が変わる。
 そして夢宮先生のトリックで、恋愛小説がミステリに変身する。

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ええもんひとつ―とびきり屋見立て帖


2014年07月10日 読了
 道具屋「とびきり屋」を営む若夫婦・真之介とゆずは、二人で目利きを競いながら成長している。

 二人の目利きは物だけじゃなく、人も見る。
時に目利き勝負をしながら、二人は世の中の妙を知る。

 目利きによって助かる物や人。それらを柔らかく優しく描いているのでこちらもあたたかい気持ちになるが、時に無茶な賭けを吹っ掛け、小さな知恵と細工によって勝ったりもする。
そんな賭けは人生の大勝負ですればいいのに、この二人は割と簡単に始めてしまう。
自信を付けるというよりただの博打のような感じで、手堅い商いとはいいがたい。

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村上海賊の娘 下巻


2014年07月08日 読了
 いよいよ戦へ。
海上での、船での戦いは陸とは違う技が必要になる。
それぞれの秘技を駆使し、一度は共に酒を飲んだ相手との戦いは壮絶。

 戦の場を恐ろしいと思っていた景もやがては自らその中に飛び込んでいき、敵の大将と長い一騎打ちに臨む。
 戦いの様子が細かく書かれているのでリアルに思い描くことができた。
でもこれは映像で見た方が楽しそう。

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村上海賊の娘 上巻


2014年07月05日 読了
 信長に攻められ、兵糧攻めに合っていた毛利が助力を乞うたのは、陸とは違う掟を持ち生きる、海賊と言われた者たちだった。
 そしてその村上海賊の娘・景は、とんでもない暴れん坊でしかも醜女だった。

 歴史説明が多く教科書みたいで、その部分にくるととたんに現実に戻される感じでいまいち入り込めない。
もっと登場人物の感情の動きや表情、仕草に注目したかった。
 でも大きな戦いや時代の動きが壮大に描かれているので、下巻ではどんな動きがあるのか楽しみ。

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千両花嫁―とびきり屋見立て帖


2014年07月02日 読了
 道具屋の真之介とゆずは、駆け落ちして店を構えたばかり。
ふた親にはまだ許しをもらっていないけれど、二人はとびきり幸せで、とびきりの品を店に出す。
 とてもかなわないゆずの見立てに機嫌を損ねることもある真之介だが、ゆずの明るさと度胸に助けられながら、人や品を見立てることに精を出す。

 始まりは剣呑だったが、二人のやりとりは時に威勢がよく、胸のすく思いがする。
見立てを武器にする二人の生き様は、誰に邪魔されても負けないような気がする。

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上野池之端 鱗や繁盛記


2014年06月30日 読了
 給金も良く腹いっぱい食べられ、綺麗なお仕着せもあると伯父に騙され、お末がやってきた奉公先は、江戸の「鱗や」という料理屋だった。

 料理屋とはいうものの、そこは料理も接客も三流の連れ込み宿で、毎日のように怒鳴られて折れそうになっていたお末は、若旦那の優しさに癒されていた。
ところがその若旦那の笑顔の裏に、暗く冷たいもう一つの顔に気付く。

 荒んだ出だしにこちらも気が悪くなりそうだったが、だんだんと熱がこもり、最後まで全力で走り抜けるような流れが続く。時が癒す傷は多い。

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月に捧ぐは清き酒 鴻池流事始


2014年06月27日 読了
 山中鹿介の息子、新六。
武士の息子だが、育ての親や周りの者に恵まれ、武士ではなく商人としての道を歩き始める。

 始めは注目すべき人物や物事が曖昧で何がメインの話なのかわからなかったが、酒作りが始まるととたんに面白くなる。
主人公がどれほど夢中で生きたかが伝わってきた。

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ないたカラス


2014年06月25日 読了
 江戸で再会し、荒れ寺に住み着いて偽の和尚と寺男になりすました幼馴染の二人。
老け顔でお人好し、ちょっと頭の足りない三太と、ちゃっかり者で皮肉屋の弥吉が千里眼をうそぶき、うまく立ち回ってやってくる相談者から金をせしめる。

 おおっぴらには言えないことをしている二人なのに、なぜか周りからは信頼され感謝される。嘘はついているけど人を殺さないし悪事も働かない二人はなぜか憎めない。

 相談にやってくる夫婦も問題も多いけどそれなりにお似合いで、うらやましかったり悔しかったり。
右往左往する人間を上からからかうカラスがちょうどよく客観視してくれている。

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ないたカラス [ 中島要 ]
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