回想のぬいぐるみ警部


2018年12月11日 読了
 ふわふわでもこもこなぬいぐるみを愛する美貌の刑事・音無美紀。
その事件にぬいぐるみが関わっていたら居ても立っても居られない。
そんな趣味を隠せていると思っているのは本人だけで、周りは薄々気づいていく。
 そしてぬいぐるみを眺めながらついでに事件も解決していく。

 個性的ではある。そして事件もそれなりに込み入っていて納得できる。
でもなぜか薄っぺらく、次の章へ行けば忘れてしまう。
事件やぬいぐるみや音無よりも、ほかの要素が多すぎるのかもしれない。

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白銀の巫女


2018年12月07日 読了
 呼び起されてしまった過去の化け物に追われながら、もとコンスル帝国軍人率いる侵略軍にも追われるエンスたち。
そこで1500年前にかけられた結び目の呪いを見つけ、意味を見出そうとする。

 大群と闘いながら、1500年前の呪いを紐解こうと奮闘するエンスたち。
1作目の出来事を忘れてしまっている部分も多かったが、やっと本陣に迫るというところで終わってしまう。
3作目が出たらすべて読み返す気力があるかどうか。
ともあれ、エンスやリコとまた出会えたことがとてもうれしかった。

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別れの霊祠 溝猫長屋 祠之怪


2018年12月04日 読了
 お多恵ちゃんが成仏したと思われ、祠のお参りをしていた4人にもそれぞれ奉公先や修行先が決まり、ほっとした大家の吉兵衛。
大抵の事ではもう驚かなくなっていたが、今度はお紺の縁談が持ち上がったと聞いて息が止まるほど驚いた。
 しかしやはりお紺の相手、並の男ではないようで。

 これで皆との幽霊騒ぎも終わりかと思うと寂しくなる。
それぞれが向かう先は全く違う道だけど、4人はやっぱりしぶとい。
頼もしい働きでお紺の縁談相手をさぐり、自身の能力とも渡り合う。
変わらない4人がうれしい。

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祭火小夜の後悔


2018年12月01日 読了
 第25回日本ホラー小説大賞〈大賞〉および〈読者賞〉受賞作
ちょっと内気でミステリアスな少女・祭火小夜は、怪奇現象に詳しかった。
下ばかり見ながら歩くのが癖の教師は、ある日旧校舎で不思議なモノに出会う。

 前半の短編は、不可思議なモノと出会った人たちがそれらをやり過ごす方法を小夜から教えてもらう。その奇妙さが恐ろしいが、小夜のラノベっぽい登場が和らげる。
後半は小夜の兄に関する大きな賭けの行動だが、こちらはちょっとありふれていて、前半の異彩さがほとんどない。進行の予測もつき、長編のわりに充実感がなかった。

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戒名探偵 卒塔婆くん


2018年11月30日 読了
 寺の次男で、家業に興味のない春馬は、横暴な兄にこき使われながらも毎日平凡な高校生活を送っていた。
しかし彼には、妙に仏教に詳しい知り合いがいた。

 兄から頼まれた無理難題を、その友人はいとも簡単に解き明かす。
外場くんの宗教講義は私にはつまらないが、複雑で難解な宗教を不思議なほど簡単に説明する。
兄と幼馴染があまりにもな性格なせいか、外場の異様さが薄れて普通すら見えてくるため、なぜか話に耳を傾けてしまう。
 前作がありそうな雰囲気だったけど、読んでいてもきっと覚えてないな。

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雲上雲下


2018年11月24日 読了
 いつからいるのか、枯れもせず、動けず、ただじっと毎日を過ごしていた草のところに、ある日子狐がやって来る。山姥も姿を現し、やがて草の語る『話』に耳を傾ける。

 草が語る話は、どれも知っている昔話。
子狐の寝物語に語るうち、だんだん現実と交差していき、草の下にやって来る旅人も登場人物となり。現実となる。
不思議な昔話だと思っていたら、予想外の展開に。
神は人が作り出し、人から忘れられれば消えてゆく。
神ですらも、予見できず抗えないことがあるという。

 今までの朝井まかてにはない分野だった。

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はしからはしまで: みとや・お瑛仕入帖


2018年11月23日 読了
 店内どれも三十八文。
兄妹で営む『みとや』だったが、突然、兄の長太郎がフグにあたって死んでしまう。
一人になっても食べていくためには店を続けなければならないと、妹のお瑛は、兄の廻っていた仕入先を巡ることにした。兄の話を聞かせてもらいながら。

 主要人物の一人が死ぬというのは、とても喪失感が大きい。
それでも仲間に恵まれたお瑛の姿が頼もしく、知らなかった兄の一面も見れて新鮮だった。

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ミステリー・アリーナ


2018年11月16日 読了
 毎年年末に行われる国民的娯楽番組《推理闘技場》。
新たにできた法律を支える文字通り命を賭けた戦い。
10回目の今回は、キャリーオーバーで20億円の賞金という、知を尽くして生き残る番組に予選を勝ち残ったのは、ミステリーオタクたち。
まだストーリーが読み上げきれてない時から一度きりの回答権を使いながら推理していく。

 死ぬか20億かの選択で、ハラハラしながら読み進める。
でもだんだん胡散臭くなってくる。
それでもカラクリがわからず、どうなってしまうのかと興味をそそられるばかりで、予想もつかない。
残酷な話ではあるけど突飛すぎて感情移入もできず、そのおかげで壮大な仕掛けのあるミステリーを楽しめた。

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サーチライトと誘蛾灯


2018年11月11日 読了
 公園の治安維持のため見回りをしていたボランティアの吉森は、そこでテントを張ろうとしている怪しい人物と出会う。
その人物は魞沢と名乗り、どうにも会話がかみ合わない。
 そして見つけた他殺体と周りの状況から、魞沢は一つの答えを導き出した。

 虫を探してあちこち旅をしている魞沢が、そこで起こる事件に巻き込まれ、とぼけたやり取りから真実を見つけ出す。
魞沢の軽さがトントンと物語を進め、重苦しい雰囲気を作らない。
どんなに苦しい状況に置かれた人達の中にいても変わらないため、読んでいても苦しい思いをせずに済む。

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死神刑事


2018年11月07日 読了
 「警視庁の方から来ました」
詐欺が良く使う口癖でやって来る『死神』。怪しすぎるのに、優秀。

無罪が確定した事件の再捜査をするためやってきたその男は、『死神』と噂されていた。そして『死神』と一緒に捜査した警察官はもう行き場がないと。

 警察が捜査して捕まえた犯人が無罪となるということは、警察の失敗ということ。それを再捜査するのは警察にとっては負けで、『死神』は疎まれていた。
しかしその男は、事件にかかわった刑事一人を相棒に選び、再捜査したあげく置き土産までおいていく。
『笑うセールスマン』的なブラックユーモアが面白い。
悪い噂の割に、誰も不幸にはなってないし、事件の真犯人も見つかる。
サクサク読める軽い文体で痛快な短編集。

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