おおあたり


2016年09月08日 読了
 そろそろ大人として認められたい若だんなは、仕事を頑張ることにした。
と言っても寝付いてばかりの若だんな、猫又の秘薬という怪しい薬を飲んでみたいと思ったり、当たった富くじが実は何枚も出てきて偽物当てをすることにしたりと、今度も大賑わい。
 
 当たってうれしいものも、これはたまらんというようなものも、いろんな大当たりを引き寄せる。
もうすっかりおなじみだが、その分大きな印象を与える話が少なく、すぐに忘れてしまう。
仁吉と佐助が一太郎のもとへやってきた話などは、なぜ今頃唐突に出てきたのか謎。

 でも、若だんなの親友・栄吉の婚約者が急に心変わりをする話には是非後日談がほしい。

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精姫様一条 お狂言師歌吉うきよ暦


2016年09月07日 読了
 お狂言師とは、大名家の奥向きに参上する女ばかりの一座。
水木歌仙一座の歌吉は、ある事件をきっかけに公儀の隠密の手下である「手駒」となった。
 ある時、将軍家の姫の嫁ぎ先を巡り、二つのお家が金のかかる「厄介嫁」となる姫を押し付け合い始める。
そのさなか、密談をしていたと思われる二人が心中に見せかけて殺される。

 シリーズものなのに途中から読んだおかげで、所々出てくる昔話がよけいに気になってしまう。
でも長々揉めた割にあっさりと幕が下り、拍子抜けする結末となった。
さかのぼって読もうとは思わない程度。

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精姫様一条 お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫) [ 杉本 章子 ]
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小説家の姉と


2016年09月05日 読了
 5歳年上の姉が突然小説家デビューした。
一人暮らしを始めて3年、弟の僕に「一緒に住んでほしい」という。
 姉の小説家としての顔を見ることになり、僕は姉が持っている秘密に気づき始める。

 「姉」が描く小説はきっとこんな感じなんだろう。
と思うくらい、普通の、いつもの生活を描いた、何気ない毎日。

 大きな衝撃もなく淡々と進み、驚く出来事もなく、普通に終わる。
きっとすぐ忘れる。

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アシタノユキカタ


2016年09月03日 読了
 札幌に暮らす「片原修一」のところに、大きなバックを抱えたキャバ嬢が少女を連れてやってきた。
「この子を母親のところに連れて行ってほしいの」
 札幌から熊本まで、車で行くことになる3人。

 少しづつ隠していたことがバレてきて、お互いの厄介事も見えてくる。
悲しい事や理不尽な事があって、辛い思いはたくさんしているし、切りたくても切れない人間関係に苦しんでいるけど、やっぱりいい人ばかり出てくる。
そしてほっこりいい後味で終わる。
柔らかい気持ちになりたい時にはうってつけ。

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葵の月


2016年09月01日 読了
 徳川家治の継嗣である家基が、鷹狩の後から体調を崩し、数日後身罷った。
暗殺ではないかという噂が出る中、側近の書院番である坂木蒼馬が失踪する。

 蒼馬の許嫁だった志津乃、その伯父である考安、掏摸の死からつながる新助など、関わる者たちの目線で順番に語られる。
それぞれの正義を信じで進む者たち。
 
 すべての意味がわかり、そしていくつかは伏せられ、平和がやってきて終わるが、すっきりという読後感ではなかった。
悔みや悲しみは残り、それでもそれを持ってこれからも生きていくんだという決意が残る。

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用心棒日暮し剣 波燃える


2016年08月30日 読了
 ある諍いから喧嘩両成敗となり、上士の家の跡取りと共に藩を追放になった橘周介。
口入屋に足しげく通い、用心棒をして糊口をしのぐ生活をしていたが、再会した幼馴染から黒船への斬り込み隊に誘われる。

 周介の人となりがわかり始めるころ、面白くなってくる。
素っ頓狂な娘に心を寄せたり、幼馴染の迫力に押されたりする世慣れないところと、対峙した相手の剣を間一髪でかわす強さの両面が描かれていて興味がわく。
 でも結局は何物でもなくまだ成長途中の若者で終わり、最後に活躍する首切りの浅右衛門のほうに興味が移ってしまった。

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俗・偽恋愛小説家


2016年08月27日 読了
 自称「偽恋愛小説家」の夢宮宇多と、新米編集者の月子。
夢宮の物語の解釈にいつも驚かされ、感心し、惹かれてきた月子が、幼馴染のお兄ちゃんと再会して求愛されたために揺れ動く。

 わがままな夢宮に振り回されながらも、いつも頭から離れない月子がかわいい。
誰もが知るおとぎ話を、書かれた時代の背景を元に解釈しなおす夢宮の語り口は、黒猫シリーズに重なって、新鮮な驚きがある。
風刺だったり戒めだったりする昔ばなしは、色んな意味を含んでいて、それはきっととても分かりにくい。

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三舟、奔る!


2016年08月25日 読了
 幕末の三舟と呼ばれる男たち。
山岡鉄舟、勝海舟、高橋泥舟の生き様。

 小野鉄太郎(鉄舟)は17歳で父を失い、弟たちと共に兄を慕って江戸へとやってきた。
しかし兄夫婦に父の遺産を取られそうになり、家を出る決意をする。
 武を極め、一途に強くなりたいと望む鉄太郎に、山岡紀一郎(静山)と勝麟太郎(海舟)は様々なものを見せ、力を合わせ、守りたいものを見つけていく。。

 愛しく思うもの、惹かれるもの、とめどなく涌いてくる怒りなど、様々な感情がふんだんに沸き起こり、力溢れる若者たちの様子に、読む方も止まらなかった。

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三舟、奔る! [ 仁木英之 ]
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焦茶色のパステル


2016年08月21日 読了
 江戸川乱歩賞受賞作。デビュー作。
東北の牧場で、競馬評論家・大友隆一とその牧場長が銃殺される。
大友の妻である香苗は、馬の事は全く分からないが、夫の行動に不信を持ち、友人の芙美子と共に事件を調べ始める。

 競馬の事はさっぱりわからないが、関心がなくても十分楽しめた。
有名な「クラインの壺」よりもこちらのほうがおもしろい。
王道のミステリーといった感じで、遺伝子の仕組みを思い出し、ちょっとした知識欲も刺激される。

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焦茶色のパステル 新装版 (講談社文庫) [ 岡嶋 二人 ]
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スパイは楽園に戯れる


2016年08月10日 読了
 情報分析員の葉山隆は、ある男の情報を調査を始める。
その男は、ある国の指導者の息子だという噂。そしてその彼が亡命を希望しているという噂。

 調査を進め、真実に近づいていくほどに、有望な政治家の人生が削られ、崩されていくことになった。。
情報が何よりの宝となる人たちが、伝説となった人物の残した遺産を探り出す。スパイたちの仕事。
 最後は悲しく、暖かく、でもうすら寒い何かにまとわりつかれる。

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スパイは楽園に戯れる (双葉文庫) [ 五條 瑛 ]
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