2017年01月21日 読了
伊良部一郎、第3弾。
特に何もしていないのになぜか問題が解決している不思議な神経科の医師。
だけど今回はなんだか消化不良。
なんだこれからもこのままなのか、というような終わりがいくつかあり、まるで途中で飽きてしまったかのような終わり方。
タイトルの「町長選挙」も、不愉快な場面ばかりで結局そのまま。
伊良部の天啓の様なセリフはいくつか出てくるし、今回はマユミも核心をつくが、それよりも曖昧さが大きかったためか満足感は少なかった。
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読書と手芸の記録
2017年01月21日 読了
伊良部一郎、第3弾。
特に何もしていないのになぜか問題が解決している不思議な神経科の医師。
だけど今回はなんだか消化不良。
なんだこれからもこのままなのか、というような終わりがいくつかあり、まるで途中で飽きてしまったかのような終わり方。
タイトルの「町長選挙」も、不愉快な場面ばかりで結局そのまま。
伊良部の天啓の様なセリフはいくつか出てくるし、今回はマユミも核心をつくが、それよりも曖昧さが大きかったためか満足感は少なかった。
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2016年12月22日 読了
昭和十七年五月、空襲により負傷した亀島伊介海軍一等兵曹は、軍令部特別班への転属命令を受ける。
畑違いの防諜活動に戸惑いながらも、しだいに熱が入り始める亀島だが、先を読んで裏切り、狙った相手を思いのままに動かし、自分たちの都合がよいようにと目論む周りに混乱していく。
スパイや裏切りということにすれば、どんなことでもこじつけられるような進め方で、自分の信じることすら嘘にされそうなところに嫌悪感が湧く。
スパイものとしては、柳広司のシリーズのほうが数倍おもしろい。
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2016年12月03日 読了
8年後に小惑星が地球に激突し、世界は滅びると発表されてから5年。
パニックや自棄になった人々が暴れた時期を過ぎて小康状態となった頃、あるマンションの住人たちの生活を短編で綴る。
慌てふためく時期を過ぎた人々は、何を思って生きているのか。
親がいなくなった子供たちや、息子夫婦が孫を連れて心中してしまったおばぁちゃんなど、身近な人の死を受け入れたら、人は似てくるのかと思うほど、それぞれに個性がない。
どれも同じテンションで、誰の目線からも同じくらいの温度しか感じないため、面白みがない。
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2016年11月14日 読了
芥川賞受賞作品。
人間じゃないものと結婚したという女性たちの話。
奇妙で、でもそれほど悲嘆してはいない彼女たちが、どんな日常を送っているのかを淡々と描く。
奇妙さではかなり面白い発想だけど、設定だけがあれば伏線も意味もこじつけも解決も謎も盛り上がりも何もない。
どこでも適当なところで終われるような話。
自分自身や、結婚ということを考えるために当てはめることはできるけど、物語としては評価できない。
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2016年11月06日 読了
父の赴任先のイランで生まれた歩が、天真爛漫な母と、自己顕示欲が強い姉、普通の感性を持っている父との日々を描く。
イランでの革命で治安が悪くなり、日本に戻って小学校に入り、その後中学になり、彼女ができ・・・・、ただ歩の成長を淡々となぞる。
日記というか、歩の頭上の定点カメラの映像をただ見ているような感じ。
特に盛り上がりもないために飽きる。
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2016年11月04日 読了
チンピラが睨み合っているという報告を受け、臨場した北綾瀬署のマル暴刑事・甘糟。
どうやらお互い引き際を見計らっているようなので見守っていたら、白スーツの人物が割って入ってきた。
そして翌日、睨み合っていた人物の一人が死体で発見される。
いつもより砕けた感じの文で、キャラクターが引き立ってるわけでもなく、出来事もどうってことない。緩い感じの言葉がよけいに軽く見せている。
もう少し内容があればいいのだけど、これではコマーシャル程度の素通り感。
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2016年10月26日 読了
警備会社の契約を切られた武尾は、ある女性のボディーガードをしてほしいという依頼を受ける。
その女性・円華と共に行動するうち、武尾はおかしなことに気付く。
読みやすく、厚さのわりにあっさり読める。
通常は考えられない屋外の温泉地で硫化水素での事故死が続き、連続殺人事件が疑われるなど、興味を引く設定でもある。
しかし内容はどんどんオカルトに寄っていき、先の展開がわかってくるととたんにありふれてくる。
暇つぶしにはなるが、特に印象に残る本でもない。
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2016年10月14日 読了
優秀だと噂の、まだ若い検事。
出所したばかりの男がその足でまた窃盗で捕まった。
検事の佐方貞人は、所持金があるにも関わらず腕時計を盗んだという男の行動に疑問を持つ。
上の意志に逆らって自白している被疑者を送致するのを渋ったり、傍から見るとおかしな言動をする佐方だが、実はただ一人真実が見えている。
ありふれた設定。それなりに楽しく読んだが、最後の事件は納得いかない。
秘する気持ちを、知っている者が静かに思い浮かべるから真実味が出るのであって、記者がたいして取材もしないで「おそらく当たっている」という想像だけの過去が、出来事だけならまだしも、当事者の表情や心のうちまで語っても、全く説得力がない。
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2016年10月11日 読了
銀座で探偵事務所を営んでいる月輪龍太郎は、東京帝大で犯罪捜査学講座を受け持つことになる。
しかし学生は3人。
やる気の感じられない3人に向かい、月輪は講義を始める。
教科書を使わず、実際の犯罪を扱うという方法で。
3人の学生にそれぞれ謎解きをさせ、答え合わせとして月輪が犯人を捕まえてゆく。
他のシリーズのスピンオフということらしいが、これだけ読んでも色んなパターンがあり、楽しめる。しかし本格的というほどではない。
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2016年10月01日 読了
ボクサーの夢が破れ、地元に帰って教師をしながらくすぶっていた池田。
ある日、教え子の女子生徒が失踪し、さらに旧友がホームレスのような格好で死んでいるのが見つかる。
女子生徒は車で連れ去られたとの目撃証言もあり、池田は行方を探し始める。
最初はあまりの下品さと、しばらくたっても中身が見えてこないために投げ出した。
タイトルと表紙からも何も伝わってこないのも理由。
でも読み進むうちにわかってくる池田の人柄が、この先どんな考えを持つのだろうと興味を持てた。
最後はオオゴトになる。でもやっぱりこのタイトルは失敗だと思う。
どうもこの人は、「探偵はバーにいる」のシリーズ以外はぱっとしない。
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