2009年09月26日 読了
『まんまこと』の続編。
相変わらず素っ頓狂な町名主の息子・麻之助。
前作の流れの後、お寿ずを嫁にもらってからのお話。
町名主の仕事柄、剣呑なことも持ち込まれるが、それを今回も見事にこなす。
相変わらずさくさくと読み進められる。
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読書と編み物の記録
2009年09月26日 読了
『まんまこと』の続編。
相変わらず素っ頓狂な町名主の息子・麻之助。
前作の流れの後、お寿ずを嫁にもらってからのお話。
町名主の仕事柄、剣呑なことも持ち込まれるが、それを今回も見事にこなす。
相変わらずさくさくと読み進められる。
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2009年09月13日 読了
外資系ファンドに勤める妙子は、地熱発電を研究運営する日本地熱開発の再建を任される。
日本のエネルギー問題として、地熱発電に目を向けた。外国からの圧力、政治的な思惑、現場の仕事。
「国際エネルギー戦争」というサブタイトルの通りである。
スケールの大きいテーマのわりに、あやふやだったり違和感だったりするものがなかったので、すっきりと読み終わることができた。でもボリュームのわりに充実感がない。
節電もエコも、地球のためというよりは、まず自分の節約のためと思っているからか。小さいのは私のほう。
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2009年09月10日 読了
第50回江戸川乱歩賞受賞作。
選評では、「あらゆる点においてあまりにも不注意」だとか「文章に難が多い」だとか、かなりひどい言われようである。
でも「B級ハリウッド映画のような」感覚で力強く読めたし、情景を思い浮かべやすいといった点では充分おもしろかった。
ほとんどが洞窟内の出来事ということで、ちょっとした閉塞感に襲われ息がつまりそうだったけれど。。。
確かに映画をそのまま小説にしたような作品で、疑問が残ったりわかりにくいところもあったけど、それほどひどい評価をされるものだったとは。私はまだ読解力が足りないということなのか。
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2009年09月09日 読了
「ミステリー」と作者は語っている。
落とした時計を探しに迷い込んだ森で出会った自然解説指導者。
秋の早朝の空気のような、キンと音のするくらい静かな物語。
探偵モノなんだろうけど、加害者がいるわけじゃなく、本当に時計を気にしないでいられる物語だった。
「銀の犬」ほどの余韻はないけれど、幸せな未来を確信できると思わせてくれる。
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2009年09月06日 読了
東京の片隅にある便利屋。そこの主である多田のところに迷い込んだ高校の頃の同級生・行天。
一生懸命今を幸せだと思いこませようとしているような主人公と、本当に迷い猫のような行天の生活。
カーテンごしに家族と話をしているような感覚で、どこか現実でないような雰囲気をもったお話。
楽に読める。思いのほか爽やかな読後感が残り、疲れたなぁと思った夜に手にとったらよく眠れそうだと思った。
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2009年09月01日 読了
革命期フランス、作者のもっとも得意とする分野。
宮廷内、微笑みと耳触りの良い会話に隠された思惑を読み取れない者は利用されていく。
市井であってもそれは同じ。薪をふんだんに使える生活がしたい、ドレスをまとい、柔らかなベットで眠る生活を。。。
そして今に生まれついた運命を変えたいと望む。
短編であるため、各物語はあっというまにすぎてゆく。でも毎日はたぶんそんなもので。それでもフランス王妃マリー・アントワネットが脇役で登場する物語は、印象深い。
信念を見つけ出すために費やすエネルギーは、静かに疼く種火のようなものかもしれない。潜む力が香り立つような目をした男の魅力が描かれていて素敵だった。
でもやっぱり長編が読みたい。
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2009年08月28日 読了
ホストだった父親のようにはなりたくないと思ってホストになった男に、ホストに心を壊された母をもつ男がホストになって戦いを挑む。
私が女だからか、なんだか違和感と嫌悪感のまざった内容だったけれど、途中で投げ出すほどではなかった。結末はそれとなく窺えたし、流れも予想の範囲を超えなかったけれど、文章は読みやすかったし、集中して読めた。
ただ、「この人はこんなもんではない」という意見が多かったので、ほかの作品も読んでみたいと思う。
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2009年08月24日 読了
21歳の大学生・聖が、元大物国会議員・大堂剛の事務所に事務員として勤めている。
引退したとはいえ、その事務所には大勢の弟子たちから様々な「問題」がもちこまれてくる。
わかってみれば「なぁんだ」と思うような小さな事件だけど、ほっておけばややこしい問題にもなりかねないようなことを、聖は面倒くさがりつつも解決していく。
種明かしは推測もさせないで最後までとっておくのはこの作者のいつもの手。
主人公は聖なのに、大堂剛でいる気分にさせられた。爽快。
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2009年06月13日 読了
久しぶりの千里眼。
登場するたびにだんだん憎めなくなってくるダビデとの共同作戦の話。相変わらず鮮やかな解決でした。
でも、今までの作品では冒頭に出てきた人や出来事が必ず最後に出てきて、最初と最後が見事に繋がったのだけど、今回はそれが薄かった。そのため、下巻だけでも充分だったんじゃないかという印象。
まだまだ続きそう。ちょっとクドイけど。
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2009年05月31日 読了
新宿の片隅にある酒場、その名も「酒場」。
そこに集う常連と店長の手になぜか転がり込む、100円均一の「とっても不幸な幸運」という名の缶。
その缶をあけると何かが見え、何かが起こる。
缶を開けた人の運命を少しずつ変えていく、短編集。
「しゃばけ」の作者であるがゆえに短編は得意なのだろう。
一つ一つがきれいにまとまり、それぞれの主人公の人生を鮮やかに語りだす。家族のようにそっけなく、信頼し、助けあう人たちの歴史。
ただ、短編であるがゆえに印象は薄く、余韻も少ない。
この人の長編をもっと読みたいな。
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